市民のみなさまへ

新潟市医師会

最近の性行為感染症の問題点

金井 利雄

(西区 かない泌尿器科クリニック)

むかしは性病、現在は性行為感染症と呼ばれており、性行為によって感染する疾患群です。梅毒、淋病、クラミジア、ヘルペス、尖形コンジローマ等々いろいろな種類があります。


今回はその中でも淋病とクラミジアのお話です。


性交により淋菌やクラミジアに感染すると、男性の場合は一般的に排尿時に痛みを感じたり、尿道から膿がでたりする尿道炎となります。尿道炎は男性の性行為感染症の中でも最も頻度の高い病態で、淋菌とクラミジアは尿道炎の原因菌の大部分を占めています。

 

ところが尿道以外に、咽頭(口を大きく開けたとき奥に見える喉の部分)にも感染します。この場合は咽頭炎になり、喉の痛みなどが出現することがありますが、性産業に従事している女性などで、咽頭に淋菌やクラミジアが感染しても炎症とならずに、全くの無症状、咽頭の見た目も全く正常の症例が報告されています。

 

日本人の男性の尿道炎の50%は、性産業に従事している女性の咽頭から感染して発症していると考えられています。このことからは性産業に従事している女性の多くは、咽頭に感染があっても症状がないため治療を受けていないのではないか。男性のほうも尿道炎だけでなく咽頭感染も併発している可能性があるのではないかと考えられます。

 

ということは風俗店を利用した男性が咽頭に感染しても、自覚症状がないためこれを放置すると、知らず知らずのうちに感染が拡大していく可能性があります。泌尿器科医も尿所見だけでなく、咽頭所見も見逃さないよう注意をしており咽頭検査も適宜施行していますが、このページをご覧の皆様も風俗店を利用した後、新しいパートナーと性行為をしたときなど、十分にご注意をお願いします。

(2012.11.13)

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