櫻井 守
私は、お酒が弱く、グルメな人間でもないのですが、身近な先生に連れられていろいろなお店にいく機会が少なからずあります。今回はその一つ、京相模を紹介します。女将さんの話では、平成20年に現在のところに移転する前に、このコーナーで紹介されたことがあるそうです。現在の場所は東堀通11番町で、下方向に歩くと繁華街が終わり、明りの少ない住宅街に入り始める一画にあります。初めての人は見過ごしやすい黒色調の立派なたてものです。連れの人がこんなところにお店があったのかと驚くこともたびたび。築110年、昔は廻船問屋だったとのことで、ちょっと狭い入口の横には立派な蔵もあり当時を忍ばせます。今回通された部屋は天井が高く、強固な木造が歴史を語る部屋でした。名前は忘れましたが新潟出身画家の大きな絵が飾られていました。縁側越しの小さな庭は、冬には雪がつもり、ささやかな情緒ある景観です。ちょっと飛躍ですが、料理とともに新潟と京都の融合といえるかもしれません。私の中では、京都料理というと、とかく見た目の美しさを競うものという印象がありますが、次々にでてくるお料理はまず目で楽しみ、食して味わうでしょう。若い女性であれば、料理が出てくるたびにスマホ撮影なのだろうと思います。女将さんは京都のご出身で、新潟から料理の修行にきていたご主人と知り合い一緒に新潟へこられたとのことです。私は京都に暮らしたことがありますが、女将さんとの会話には京都名残が感じられ懐かしささえ感じます。当時京料理を食べることはなかったですが。
今回の部屋は掘り炬燵でしたが、他の部屋にはカウンター、いす式テーブルもあります。