大倉 隆弘
古町通9の名店「雪花」を紹介します。古町十字路からシモに向かい、新堀通りを渡り、坂内小路を過ぎるとすぐ左手にあります。
玄関へのアプローチは常に掃き清められ、水が打たれています。中央には大振りの甕。いつも季節の花木が生けられています。花の美しさがライティングによって際立ち、しばし立ち止まって見とれることもあります。
店内は一階がカウンターと小上がり、二階にはお座敷。小上がりは掘りごたつ形式、二階座敷にもテーブルと椅子の部屋ができ、畳がきつくなってきた小生にはうれしいかぎりです。カウンターは男女のペアが目立ち、小上がりも男女の小グループが多いようです。二階はおじさま方がメインとなりますが、総じて見ると女性客の割合が高いと思います。
店内は暗めですが、手元にはしっかりと明かりが届くようアレンジされており、料理が映えます。BGMはモダンジャズ。ごく控え目に流れます。ワイワイやるというより、語らいを楽しむといった雰囲気なので、静かに飲めます。
お酒は県内の酒各種。市内は寒梅(北山)と鶴の友(内野)など。小生は詳しくないのですがワインの取りそろえもあります。
お料理は基本薄味です。酒の肴のほか野菜サラダなどのサイドメニューが豊富でいずれも美味。これが女性客に人気がある一因ではと睨んでいます。
おすすめ席はカウンター奥です。この前にさまざまな「うつわ」が重ねて置かれています。幕末から明治初期の伊万里の色絵、染付。ガラスは切子から最新のNachtmannまで。骨董好き・うつわ好きにとっては堪らない空間で、おかみさんとうつわ話で盛り上がることもあります。
ずらりと並んだ伊万里も、骨董屋の店先ならすぐに手に取るところですが、ここではじっと我慢。雪花ではどれもが皆「現役の食器」、スタンバイ中なので眺めるだけです。板長さんはこの中から季節に合った最適なモノを選び出し、美しく盛りつけてくれます。
小生の場合、女性となると、当然カミさんと行くことになります。カウンター奥に陣取らせてもらって、目の前のうつわを愛でつつ、〆張の熱燗をちびりちびり。大小いくつもの行平を操る板長さんの動きをぼんやりと見ているだけです。
一方、女性が板長さんを見る目は違うようです。「ああ、ホウレン草は下茹でしてるんだね」とか「生姜はできるだけ薄くスライスして、大量にか…」とかぶつぶつ言っています。何回か通いながら少しずつ覚えて(盗んで?)いき、いつの間にか「豚バラ肉の常夜鍋」は我が家の冬の定番になりました。
日本料理 雪花
住所 | 新潟市中央区古町通9番町1481-1 |
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電話 | 025-228-2100 |
営業時間 | 17:00~23:00 |
休日 | 日曜・祝日 |