ホーム > 新潟市医師会会報より > わたしの好きな店 >
三鬼遊
“My favorite things”という歌がある。私の場合、音楽ならjazz、食べ物は白身の刺身、そばに置きたいのは犬、そして酒も欠かせない。そんな私のお気にいりがすべて揃っているのが「三鬼遊」だ。
少し重たい蔵戸を引いて中に入ると、中央の吹き抜けに4mはあろうかと思われるモミジの木が青々と若葉を繁らせている。今日のバックはレイ・ブラウンのグレイヴィワルツだ。なんとも落ち着いた雰囲気に包まれている。店の奥では、大きな二頭のグレートデンが、耳をピンと立て、長い尻尾を優雅に揺らしながら、歓迎の意を現わしている。店主の歯切れのよい「いらっしゃいませ」の声に迎えられ席につく。彼の言葉には、心から「ようこそ」の気持ちがこもっている。客を迎える顔が嬉しそうなのだ。
スタッフは若く、皆とてもフレンドリーで丁寧な応対をしてくれる。店主を尊敬し、店を愛していることが伝わってくる。
一階は犬と一緒に食事やお酒を楽しむことができ、私の愛犬アトミン(柴♂9才)も度々お供をしている。天然木の美しいカーブを生かしたカウンターの下が指定席だ。グレートデンはジェイとルナ。大型犬はやさしさや寛容さを感じさせ、傍にいるだけでとても安らぐ。
二階には、桟敷の趣のある掘り炬燵式の卓がしつらえてあり、和やかな空間が広がっている。
お酒は新潟のめずらしい蔵元の日本酒が揃っており、料理に合わせて、ワインや焼酎も楽しんでいる。
料理は刺身が旨いのは当然だが、「越の鶏の水炊き」「豚肉のゆず煮」納豆醤油で食べる「彩色豆腐」などは絶品だ。「牡蠣の塩辛」も珍味。器、食材、盛り付け、味のすべてにオリジナリティが感じられ、昨今の奇を衒った「創作料理」という名のありきたりのものとは全く別物だ。
熊肉でジャーキーを作ったり、弾が残っている雉を捌いて林檎とワインで煮込んだりと、驚かされることしばしば。食べたいもののイメージを伝えれば、「かしこまりました。」とたちどころにイメージ通りの料理を作って出してくれる。jazzを愛する彼は、アドリブが得意なのだ。(大工仕事も得意。店舗も手造り!)
この店はjazzに似ている。ビート、リズム、アドリブを感じる。ここには今まで味わったことのないような時間が流れている。
愛すべき「三鬼遊」。
しかし、mysteriousでもある。
| 住所 | 新潟市上大川前通5-79-4 |
|---|---|
| 電話 | 025-210-7939 |
| 営業時間 | 11 : 30~23 : 00(22 : 30 LO) |
| 定休日 | 毎週火曜・第三月曜 |
| ランチ | 980円~デザートも全てオリジナル。喫茶店としての利用も歓迎。 |
前田 和夫