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カナダハウス
私が新大医局在籍中に街へ行く時の散歩コースは、医学部の赤門を出てしょうこん坂を下り、安倍バラ園(現在は閉園)・みどり幼稚園を見ながら東中通りを渡って鍛冶小路へ出る。その三つ目の角にちょっと洒落たディスプレイのカナダハウスがある。開店は昭和55年(1980年)3月、知る人ぞ知るアウトドア用品・衣類・小物の店。こぢんまりとした店内には、衣類、鞄、靴、帽子などが所狭しと陳列されているが、同じメーカーでも大規模チェーン店にはない品揃えである。それもそのはず、店主自ら海外へ出かけて仕入れてくる品物が目をひく。一つ一つが吟味され、ひと味もふた味も違うものが選べる。物腰の優しい紳士的な店主 濱田 精氏に取材し、直接語って頂いた。
『開店の動機
昭和49年~53年(1974~1978)まで鉄鋼メーカーのサラリーマンで新潟勤務、その際、新潟の魅力に心が動かされた。四季がある、雪が降る、何処で食べても米の美味さを感じる、季節の野菜・果物そして旬の魚の多さ、山菜を覚えた。木の芽(アケビのツルの新芽)、コゴメ、ヤマうど、コシアブラ、渓流の水辺の水分を多く含む土壌に自生する柔らかいタケノコ(孟宗竹)。また、なんと言っても新潟に住んでから渓流釣りの魅力に取り付かれたこと。
東京の奥多摩、奥秩父とは違い、新潟は本物の岩魚、ヤマメが釣れること。
毎回異なる渓流を選べる楽しみ、そのついでに春夏の山菜の収穫、食べる喜び、そして釣りが終わると必ず麓の村や町には温泉が待っている。
いろいろな温泉に泊まり、無料の公衆浴場も覚えた。みな風情があり、心に残る思い出である。
これらの思い出から新潟に住みたいという強い気持ちが生まれ、15年以上サラリーマンを経験したし、今度は自立しようと、東京で2年半開店するための準備を進め、新潟での開店場所探しが始まった。素人が店を探してもなかなか見つからなかったが、やっと昭和54年秋に今の場所が決まった。
店名の由来
当初は釣り= Fry Fishing(洋式毛ばり釣り)の意識が強く、アメリカの川の名前をいろいろ模索していたが、一般的ではない気持ちがあった。長野の松本へ行く機会があり、カナディアンシーダーハウスという別荘風な建物を作る会社の名前が目に止まって、日本人の憧れの場所であるカナダの雄大な山と水の景色が思い浮かんだ。そこでカナダハウスの名がほぼ決定し、清潔であり憧れでもあり、誰にでも親しめる店名と確信した。
品揃え、仕入れなど
当初はなんと言ってもアメリカのアウトドアーブランド(名品揃い)が1975年以降に多数存在し、その様な夢のあるブランドを集めることから始まった。学生時代の山の生活が役立ち、アウトドアーブランドのほか山の道具も集めた。時代の変化につれ、ここ10年間はアメリカの隠れた有名ブランド、ヨーロッパのウール製品を含めバック類、シューズ類、Cap、 Hat、ほか小物等を集め、流行に左右されない優れものを揃えるように心がけている。このためどうしても40~50代以上の年代のお客様(女性も含め)が中心になるのかなという感じが強い。
仕入れに出掛けるのはアメリカが中心で、珍しいものがあれば場所を選ばない。アメリカは地図と車があれば何処へでも行くことが出来るし、ホテルの心配もない。ただし、特に交渉事には英語の壁はある。』
濱田氏は購買層の高年齢化を心配していたが、若い層も「良い物は良い」のが分かるのか、私が選んだ鞄やT シャツがいつの間にか息子たちへ移行していることもその証と思う。ちょっと人と違う洒落たものが選びたい時には、覗く価値があるお店である。
| 住所 |
〒951-8061 新潟市中央区西堀通り3-258(鍛冶小路) |
|---|---|
| 電話 | 025-224-5486 |
| 定休日 | 水曜日 |
| 営業時間 | 11:30~19:00 |
早川 広史