院長 堂前 洋一郎
日頃、新潟市医師会の会員の皆様にはお世話になっており、感謝申しあげます。平成27年4月に新潟逓信病院の経営を新潟臨港保健会が引き継ぎ、新潟万代病院と改称し、今年で3年目になります。平成28年4月から山谷前院長に変わり、堂前が院長を仰せつかりました。よろしくお願いします。
当院は万代シティーの中心近くに位置し、バスセンター、新潟駅にも近く立地場所としては最高の所にあります。52床と小さな病院ですが、内科医6名、整形外科医3名、非常勤の血管外科医1名の布陣です。さらに乳腺外科、婦人科、眼科の先生方が大学や臨港病院からお手伝いに来ていただいており、週1~2回の外来診療を担当してくださっています。内科は内分泌、消化器、心療内科、がんの緩和ケア、一般内科を、整形外科は股関節外科、手外科、外傷を中心に診療を行っています。また逓信病院時代からの健診部門は専任の医師を配置し、その充実に力を入れています。特に生活習慣病に対しての予防、発見、治療という一環で健診部門と内分泌内科の関連は重要で、当院では3名の糖尿病専門医がいます。整形外科では変形性股関節症に対する人工股関節置換術を、初期関節症に対して臼蓋移動術の骨切り術を行っています。
当院は小さな病院なので何でもそろうスーパーマーケットではなく、専門店のような病院を目指しています。この病院ならその部門で超専門的な医療を受けられるということで、現在は糖尿病、股関節外科はその域に達していると考えられます。
また、「心通わすより良い医療」のスローガンの元、弱者に優しい病院としての取り組みをはかっています。弱者とは社会的弱者、高齢者などが代表的ですが、性的弱者も含みます。弱者に優しい病院であれば、通常の方にも優しくなれるはずです。特に性的弱者、いわゆるLGBTの患者さんに焦点を当て、職員にLGBTとはどんなものか、理解を深めるために講師を呼び、勉強会を行っています。具体的にはまだ進んでいませんが、弱者に優しい病院をという理念は職員に浸透してきています。
最近の大きな病院は入院をしたらすぐ退院の話などが出てくる時代です。患者さんにとって、療養とは何かを考える暇もなく手術が終わったらできるだけ早期に退院と言うのではせわしないばかりでなく患者さんに優しくはなっていません。このような、DPCを採用していない小さな病院ではある程度患者さんの要求に応えられています。
今後も地域住民の医療を支える立場と、専門的医療を行うという両者の立場で医療を続けていきたいと考えています。