新潟県農業協同組合連合会 新潟医療センター 病院長 吉澤 弘久
病院の概要
当院は平成21年10月より新潟厚生連が医療法人博医会より運営を受け継ぎ、新潟医療センター・付属介護老人保健施設こばり園として開院いたしました。平成26年にDPC病院となり、平成27年8月から、入院基本料10:1から7:1へと移行しています。
病床数は404床ですが内訳は一般病床297床(うち緩和ケア病床20、循環器特例病床12、神経難病病床12)そして療養病床107床(うち回復期リハビリ病床54、医療型病床53)となっております。一般、療養を合わせた2017年の平均稼働は85%を超える状態です。入院患者さんの90%が新潟市在住で、西区在住の患者さんは50%となっています。
救急車の年度別受け入れ件数は平成25年が1,800台から昨年度は2,100台まで増加しています。
院内の機能的な変化としては、平成26年2月に病理センターを開設し、下越地区の厚生連関連病院の検体を集中するシステムが構築されました。外来機能としては、外科・内科等の横断的診療を可能とするため、同年11月には消化器病センターを、平成28年4月には脳神経センターを開設しています。
教育・研修医育成では、平成25年度より基幹型臨床研修指定病院となり、最初の年度は1名の研修医を受け入れ、その後定員を3名から4名へ増やしています。昨年度のマッチングでは4名募集に対して11名が面接を受け、6名の1次希望者があり、フルマッチしています。全員国家試験も合格され、すでに当院で研修を開始しています。また新潟大学、信楽園病院からのたすきがけ研修の初期研修医も受け入れております。開院以来、特にここ5年間で多面的に病院の様態が変化してきています。
現況から今後
当院の立地する西区は2035年までの総人口増減率は県下では最も減少の少ない地域とされていますが、一方で高齢者人口の増加は著しく、対応が求められています。当院ではその一環として地域連携センターの増員を昨年4月に行い、今年度からは地域連携支援部として、入院時より退院に向けた支援をシームレスに行う環境を整備する予定です。また救急医療については平成21年の経営譲渡以来、精力的に急性期病院としての人的充実に取り組んできました結果、救急輪番日における当直医師複数化、看護師や医療技術職の体制強化によって救急患者は飛躍的に増加し、地域医療に貢献できる体制が整ってきた一方、救急要請は加速的に増加しており、当直医師だけでの救急医療体制には限界がみえてきました。さらなる人的資源の充実やインフラの整備が必要であると考えています。特に救急外来の拡張、整備は喫緊の問題であり、早急に拡張整備する予定でおります。当院には関連施設として、健診センター、介護老人保健施設こばり園(入所100人)新潟こばり訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所があり、これらの関連施設や地域の医療機関、福祉施設と連絡を密にし、地域住民の方々の福祉、健康のために今後も貢献していく所存でございます。