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『日本人 数のしきたり』

相馬 博志

本書は、数にまつわるさまざまな日本のしきたりを、その由来と共に紹介したものである。

日頃から何気なく使っている「数」には、単に数量を表す言葉としてだけでなく、伝統に基づいた意味が込められていることがよくあるという。こうした「数」にまつわる言い伝え、慣習について、「一」に関することから「万」「億」に関することまで、「数」自体の意味するところを簡単に解説し、言い伝え、慣習について、いくつかの例を挙げながら、述べている。

題名はしきたりとなっているが、しきたりだけでなく、「数」にまつわる成句、「二の舞を演じる」、美男子を指す「二枚目」、「三顧の礼」、「三種の神器」、「五穀豊饒」、「七福神」、「村八分」、「八百長」などの言葉の由来も記している。

「一」のしきたりの項では、『「一」は、物事のいちばん初めの数であり、昔から「一」は最もすぐれたものを表す数と考えられてきた。日本の生活文化に大きな影響を与えてきた中国の陰陽思想では、奇数を陽数とし、縁起の良い数、重要な数として捉えてきたが、「一」は、奇数の一番初めとなる数であり、聖なる数として崇めてきた。』と解説している。

このようなことを踏まえ、しきたりの例として、一月一日に掃除をしてはいけないとか、年末、十二月三十一日に飾り物をする、いわゆる「一夜飾り」はしないほうがといったことが挙げられている。こんなしきたりありましたか?と聞いてみたい気もするが、知らなかったのは私だけ、では恥ずかしいので、やめておこう。もっともしきたりというのは、時代、地域、によっても異なるので、絶対というものでもないだろう。

「二」のしきたりの例で挙げられているのが「二礼二拍手一礼」である。これが何のしきたりか、日本人ならお分かりでしょう。神社での正式な拝礼の作法である。

「三」のしきたりの項では、いつから三月三日に雛人形を飾るようになったかについて述べてある。

「四」のしきたりの項で初めて知ったのが、正式なおせち料理は重箱を四段重ねるということ。最近では、おせち料理を作る家庭は少なくなったようだし、街で売られているおせち料理など二段ですませてあるのもある。なかなか四段重ねまでは手をかけられないというところだろう。

この後「五」のしきたりから、「十」のしきたりまで続き、「百」「千」「万」のしきたりと続くが内容は省略。

それぞれのしきたりには、それなりの由来があり、なるほどと思わせるところもあるから、分別なく軽んじたりしていいものでもないだろうと思った。

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『日本人 数のしきたり』

著者 飯倉 晴武
出版社 青春出版社
定価 本体700円+税

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