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『旅ボン イタリア編』

黒田 兼

問題です。今年のゴールデンウィークと年末 年始、より長く休みが取れるのはどっち?とっさに答えられたあなた。ズバリ旅行好き、しかも海外旅行好きですね。

我が家は帰りの飛行機の中で、次の旅行の予定を考えるような一家です。しかしそんな人は少なくないはず。旅行の計画を立てるのは、大変ですが楽しい時間です。まず目的地を考えます。行きたいところはいっぱい。でも決め手は?

興味のある観光地があるか?─私は教会、美術館なんかが好みです。完全なインドア派。

土地の食べ物がおいしいか?─うちの子はどこの国へ行っても、国内ではめったに食べさせてもらえないマックを食べようとします。やめてほしいです。でも国により微妙に味が違うらしいです。

お買い物のショップは充実しているか?─私は最小限のおみやげ以外、買い物に興味ないです。でもヨーロッパみやげなのに、裏に「MADE IN CHINA」と書いてあるものは選ばないようにしています。

治安は?─これは子連れなので、重要重要。パリで夜迷って、薄暗い小路を一家で走った時はマジで怖かったです。

というわけで、情報を得るため旅行会社に行ってパンフレットを集め、本屋さんで旅行本を購入、インターネットでいろいろな人の書いた旅行記を読む、近頃ではGoogleEarth を使えばその町の様子も見られてしまいます。でも意外に知人・友人の「○○って、とってもいい所だったよ」っていうひと言で、決まっちゃったりしませんか。

さて今回ご紹介するこの本、マンガです。マンガ嫌いの方すみません。しかし、「旅行記」の存在意義が「行ってみたいなあ」と読者に思わせることであるならば、この本は抜群だと思います。友達に「イタリアよかったよ」って言われてる感じです。我が家はイタリア旅行の際、行きも帰りも機内でこの本を回し読みしてました。

作者のひきこもりイラストレーターのボンボヤージュ(以下ボン)さん(男)が、海外旅行大好きの担当編集者SUZU さん(女)と、通訳兼ガイドのイセキくん(男)の三人で、イタリア10日間の旅をするもの。なにしろひきこもりなのでパスポートもスーツケースもないボンさんが、パスポートを取得しスーツケースを購入するところからお話は始まります。スーツケースにどう考えても不要なもの(携帯洗面器とか、大量のドライ納豆とか)を入れようとしたり、スーツケースがあまりに重くて、成田に行くまでの駅の階段でゼェゼェいったり、読み始めから「あるあるっ!」と大笑いです。イタリアに着けば、ローマのスペイン広場でフレンドリーな感じでミサンガを手首に結び付けられ、いきなり10ユーロボったくられます。我々が行った時も、ミサンガをいっぱい持って手ぐすね引いている(ように見えた)観光客目当ての現地人、いっぱいいました。うちの子はそれを見て「マンガと一緒だ」と大喜びでした。旅程はローマ、ナポリ、フィレンツェ、ヴェネツィア、ミラノと定番のコースです。おいしいイタリア料理を食べまくり、いっときボンさんだけホームシックになったり、出版社の社長さんと合流し同じ超高級ホテルに泊めてもらって、ウェルカムシャンパンにビビったりとか、様々な出来事が描かれています。でも大笑いするだけではありません。絵を描くプロだけに観察の視点が素晴らしく、普通なら見逃してしまうところ、たとえば教会の柱や壁面を飾る目立たない彫刻や、広場の像の台座に彫られている細かなレリーフなども、ボンさんの興味を引いたようで細かに描かれています。「そうそう、こんなディテールが積み重ねられて、その土地の雰囲気を作ってるんだよなぁー」と、旅行の時自分も気をつけて見てみようと思うわけです。

ちなみにこの旅ボン、続編として富士山編、北海道編があり、今後沖縄編も予定されていますが、出版予定時期を1か月以上過ぎてもいまだ出版されていません。次回の海外編の出版はさらにいつのことやら、なにしろ筆が遅く締め切りを守らない方らしいので、気長に待っているところです。

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『旅ボン イタリア編』

著者 ボンボャージュ
出版社 ゴマブックス
価格 本体 1,365円(税込み)

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