木戸 学
(東区 きど皮ふ科)
寒い日が続いていますが、この時期になると気を付けていただきたいのが「低温やけど」です。
低温やけどとは、湯たんぽやカイロ、ホットカーペットなど、少し触ったぐらいではやけどしない低温の熱源に、長時間接触することによって起きるやけどです。
低温やけどは軽症というイメージを持たれるかもしれませんが、実は通常のやけどよりも重症化しやすいのが特徴です。通常のやけどでは、高温のものに触れた瞬間に、触れている部分を反射的に離すので、一瞬しか高温熱源に触れず、損傷される部分は皮膚表面のみです。
しかし、低温やけどでは、熱くないので、長時間熱源に触れてしまいます。そのため、皮下組織まで温度が上昇し、損傷は皮膚の深い部分に及びます。
40℃~55℃位のそれほど高い温度ではないものでも、深く寝込んでいる時など長時間の接触で受傷してしまうのです。
さてそこで重要なのは低温やけどの予防です。
具体的には、
・湯たんぽは極力使用しない。使用する場合は就寝前に布団を温め、温まったら寝る前に外す。
・電気カーペット、コタツで寝ない。
・カイロを直接肌に触れさせない、長時間貼りっぱなしにしない。
・暖房器具の前で長時間同じ姿勢でいない。
・動きが不自由な人の場合は、周囲の人が配慮する。
などが挙げられると思います。
これらのことに気をつけて、これからますます寒くなる季節に、低温やけどになることがないよう暖房器具の取扱いにご注意ください。万が一やけどをしてしまった場合は、最初は軽症のように見えることもありますが、自己判断せず医療機関の受診をお勧めいたします。
(2017.12.27)