医療技術部長 中泉 博幹
当院は、姥ケ山インターの脇に位置します。亀田バイパスを走っていると必ず目に入る緑の看板の病院です。昭和54年設立、老朽化に伴い平成26年5月に病棟一部と外来棟を改築しました。改築した棟は玄関の反対側なのであまり目立ちませんが駐車場は広くなりました。現在姥ケ山インターは立体交差の整備中で、完成まであと数年かかるようです。隣に介護老人保健施設「陽光園」、またその少し先に関連施設である特別養護老人ホーム「江東園」とレジデントハウスがあります。
当院の外来診療科は内科、神経内科(外部医師)、歯科があります。外来は半径数キロの住民の健康管理に努めています。外来リハビリも行っております。
入院病棟は288床で、障害者施設等一般病棟、医療療養病棟、介護病棟があります。急性期に割り当てられた病床は少なく、関連施設からの入院、または当院通院患者様の一時的入院が主体となっています。以前あった認知症病棟はなくなりました。
当院の最も力を入れているところは、慢性患者様の受け入れとリハビリテーションです。新しいリハビリ訓練室はワンフロアーを使って広く整備され、スタッフも充実しています。
昨年年間の新規入院数は約250名でした。基礎疾患は脳血管障害や神経疾患、肺炎、心不全ほか、きっかけがなく寝たきりとなってしまった方も多いです。医療の高度化に伴いますます寝たきり、嚥下障害の方が増えると思います。最近は、多くの処置が必要であったり合併症が多い重症例が増えてきています。国は寝たきりになったらできるだけ自宅で看ることを推奨しているわけですが、一日何十回も吸痰が必要であったり、栄養チューブの管理など自宅でなかなか看れず、特老、老人ホームでも対応できない重症例が増えています。
また、いわゆるDNR(do not resuscitate)の割合も多く、見取りの病院となっています。
ほぼ全員寝たきりの方で、経鼻栄養、胃ろうなどの経管栄養の割合は8割以上です。新規入院の方はほとんど経管栄養ですので数年後は経管栄養100%になるのでしょう。高齢者の医療費高騰が問題となっている今、このことが良いか悪いか分かりませんが、ヨーロッパの国のように食べられなくなったら寿命という考えが日本で成り立つのかどうか、胃ろうの適応など法律で明確に決まってしまえばことは楽なのですが、我々医療者はその適応に悩み続けなければならないのでしょう。
いずれにしても、急性期を過ぎた患者様の受け皿が絶対必要であることに変わりはなく、当院はその使命を果たしていきたいと思います。症例がありましたら是非当院ケースワーカーにご相談ください。
また、併設の訪問看護ステーション、在宅介護支援センター、訪問リハビリテーションはこれから充実を図る部門なので症例がありましたら是非ステーションにご相談ください。