理事長 渡邉 信也
12年前に新潟市と合併して亀田町という町名は無くなりましたが、旧亀田町にはなくてはならない、地域密着型の病院であると思っております。
本院は、開設より数えて今年50年を迎えます。昭和42年旧亀田町郊外の田んぼの中にポツンと佇んだ36床の2階建ての病院から診療を開始しました。当時診療科は、内科、外科、産婦人科、小児科、眼科の5科で常勤医は外科と産婦人科の2人だけで他は大学より出張医に応援を依頼しておりました。私は開設9年目の昭和51年より産婦人科医として診療に加わりました。
開設後6年目には2期工事で108床、その後3期、4期工事で14年目には117床に増床しましたが迷路のような状態となり、必要に迫られて平成3年開設後24年目に全面増改築を行い、現在の197床の病院が出来上がりました。その後26年経過し、50周年を迎えるにあたり昨年2月より、手術室・会議室の増設、病室の環境整備、霊安室の設置、リハビリ室・食堂・ロッカールーム・医局の拡張等の工事を進めているところです。10月の末に工事が終わりますと、病棟が5病棟になり、全病床197床の内訳は、一般病床が156床、地域包括ケア病床が41床となります。
病院の特徴は今のところ整形外科がメインの病院だと思っております。脊椎外科および股関節センターを設置し、8名の整形外科医が学会活動、臨床研修に研鑽を積んで活躍しております。脊椎外科では、国内から多くの先生が研修に訪れておりますが、外国医師の臨床修練指定も受けており、過去にエジプト、インド、中国等からも研修の先生を受け入れております。手術件数は外科、産婦人科、泌尿器科を含めて2,000件を超えるようになりました。内科も今年度より常勤医が6名となり外来を4診体制と致しますので、より多くの人を診療できる体制を組むことが出来るようになります。診療科目は15科を標榜しておりますが耳鼻科・眼科・精神科はありません。標榜科すべての科がオールマイティーではありませんので、癌の放射線治療、脳外科の手術、小児科の入院、心筋梗塞の患者さんの治療は現在行っておりません。また、救急告示病院の指定を受けており、主に二次救急ですが、年間約1,200台の救急車を受け入れております。
新潟市医師会の地域連携事業においては、積極的に関わっており、現在92名の先生から登録を頂いております。年間2,600人を超える患者さんを紹介して頂いており、救急車の数を加えますと紹介率は48.1%に達し、年々増加しております。また、登録医の先生方と共に3ヶ月に1回の症例検討会を開催し、今月で104回目を数えます。この会では、講演会と紹介患者の症例報告を兼ねた検討を行っています。登録医の先生方には日頃より大変お世話になり厚く御礼申し上げます。
病院は医療法人(財団)組織で、付属施設として136床の介護老人保健施設、歯科クリニック、訪問看護ステーション、在宅介護支援センター、包括支援センター、在宅医療介護連携ステーションの運営に携わっております。
以上、急性期より慢性期在宅医療、新生児より老人に至るまで幅広く医療に関わっております。地域医療にも積極的に関わり、地域の多くの皆様にご利用頂き、今後一層地域医療に貢献して参りたいと思っておりますのでご指導の程宜しくお願い致します。