新潟信愛病院長 和知 学
新潟信愛病院は新潟市西区にある単科の精神病院です。当院は明治44年に新潟脳病院として現在の西区青山に開院しました。昭和28年には医療法人青山信愛会が発足し、新潟脳病院は新潟精神病院と改称されました。その後関屋分水の着工が決まり青山から現在の上新栄町に昭和44年に移転しました。昭和57年には新潟信愛病院と改称され、その後援護寮「しおさい荘」や老人保健施設「しんあい園」が開所され、平成23年には新病棟であるA棟が完成しました。また平成29年1月にはB棟1階をリフォームし病床を28床削減し、全室個室の精神科急性期治療病棟(B1病棟)を開設いたしました。
当院は西区の海水浴場のすぐ近くにあり、A棟の7階に登ると、佐渡、弥彦山、角田山、新潟市街地が一望に見渡せます。精神医療では主に西区全体とその周辺地域の精神科地域医療を支える役割を持ち、さらに新潟市精神科救急の当番制にも参加し、新潟市の精神科救急医療にも貢献しています。外来部門の診療は月曜日から金曜日午前中で、新患及び再来とも完全予約制になっています。月曜日はセカンドオピニオン外来及びてんかん(新患)外来(てんかん学会認定専門医が診療します)を開設しています。また児童思春期外来(15歳未満)も開設しています(水、木)。新患で予約される場合は相談室あるいは外来にご相談ください。病棟は精神療養病棟が4棟、精神一般病棟が3棟、精神科急性期治療病棟が1棟です。精神一般病棟のうち1棟は身体合併症を持つ方が多く入院されています。重篤な合併症の入院治療は新潟大学医歯学総合病院、新潟市民病院、西新潟中央病院、済生会新潟第二病院、新潟医療センター、信楽園病院などと連携して行っております。また、骨折等では近医のクリニックにもお世話になっております。現在、少子高齢化が進み、認知症の方が急増しており、これからも増々増加すると考えられます。認知症の方を家庭、施設、病院などのどこで診ていくかというのは難しい問題を含んでいると思われます。当院は認知症でBPSD(行動・心理症状)を持つ方の入院を急性期治療病棟(B1病棟)で積極的に受け入れております。B1病棟では医師、看護師、薬剤師、精神保健福祉士、臨床心理士、栄養士、作業療法士などがチームを組み、治療方針を決めています。病棟での快適な過ごし方を考え、現存能力の保持への工夫を行うなど、病棟カンファレンスを通して話し合い、また退院後の処遇についてご家族や行政、福祉の方々と相談しながら進めています。B1病棟では認知症以外にもうつ病の方が多く入院されています。全室個室であることから、あまり人間関係に煩わされることのない静かな入院生活が送れるとの感想を多くいただいております。
地域に開かれた病院を目指しておりますので、今後精神医療関係でお困りのことがありましたら、ご遠慮なくご相談いただきたいと思います。