梅沢 哲郎
古町界隈に灯りが点る頃、一日の疲れを癒しに、馴染みの店へ向かう人々の流れが動きだす。そんな中、私は逸る気持ちを抑えられず、足早に坂内小路から鍋茶屋通りに入る。薄暗い通りを少し行った右側に「串の房」という灯りが見えてくる。ここがわたしの好きな店だ。
「串の房」はカウンター十数席の串揚げのお店。黒っぽい内装と流れるジャズが落ち着いた大人の雰囲気をかもし出している。メニューはなく、お店の人が選んだ食材を、ひと串、ひと串、こちらの食べるペースを見ながら目の前で揚げてくれる。何が出てくるかはお楽しみだ。串揚げの食材はその日によって異なるが、肉、季節の魚介や野菜から25~30種類が用意されているらしい。過去一度だけ全種類を制覇したことがあるが、なかなか容易ではない。
串揚げを食べる合間に、口直しの野菜スティックをかじったり、ざっくり櫛形に切られたキャベツを手でちぎって食べたりするのも、この店で食事をする楽しみのひとつである。もちろん、串揚げの味を盛りたてるお酒のラインナップも、ビール、日本酒、焼酎、お洒落にシャンパンやワインなどと充実している。
このお店で開店当初から串を揚げているのが高山さん。彼は昔ながらの食材に加え、次々と色々な食材に挑戦し、新しい串揚げを作っている。そんな研究熱心な彼と、彼が作り出す串揚げが私は大好きだ。どんなに忙しくても、春夏秋冬それぞれの季節には、旬の食材を使った串揚げと、彼の作り出した新作の串揚げを食べに行きたい、そう思わせるお店だ。そうそう、言い忘れた事がある。お腹が満足したところで、お店の人にストップを告げること。そうしないと、いつまでも串揚げが出てきますぞ(笑)。
串の房
住所 | 新潟市中央区古町通八番町1446−2 |
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TEL&FAX | 025-229-5551 |
平均予算 | 7,000円 |
営業時間 | 17:00~23:00 |
定休日 | 日曜日(日・月曜日連休の場合は日曜日は営業、月曜日が休業となります。) |