中村 明美
(新通あけみ皮膚科医院)
暖かさや明るさなど太陽光線の恩恵をより感じられる季節になりました。しかし、太陽光線には光老化(シミ、シワ、タルミ)、皮膚癌、免疫能低下、光線過敏症などを引き起こす作用もあります。長時間無防備にあびることによって生じる光老化が注目されています。可視光線の一部であるブルーライトや近赤外線も関わっているそうですが、最も影響があるのは紫外線(UVA、UVB)です。
冬の紫外線量は夏に比べ減少するものの、一定の量は保たれています。冬は肌が乾燥しバリア機能が乱れ、油断をすると夏同様の影響を受ける可能性があります。加齢による生理的な老化は防げませんが光老化は防げます。対策はサンスクリーン剤(日焼け止め)の使用です。有効成分は紫外線吸収剤、紫外線散乱剤で、それぞれ特性があります。紫外線吸収剤は広域に防御し白うきしませんが、光線接触皮膚炎を生じることがあります。散乱剤はかぶれにくいですが白うきします。敏感肌用の多くは散乱剤のみが使用されています。防御能はUVBはSPF(上限50+)、UVAはPA(上限++++)で表わされ、数字が大きいほど+が多いほど効果があります。
この効果を得るには適切な量と塗り直しが必要です。実際の塗布量は少ないことが多く、重ね塗りが推奨されています。汗や摩擦で効果が減弱するため、2~3時間毎の塗り直しも必要です。メークをしている時は遮光効果のあるパウダーの使用が現実的のようです。汗、水に反応して紫外線防御膜を強化する商品もあります。肌質、時間と場所を考慮し個人に合った選択をしましょう。また、物理的遮光も重要です。10時から14時の間の長時間の屋外活動はできるだけ避け、帽子、日傘、長袖、手袋などを活用しましょう。生地が厚く濃い色が良く、衣類の紫外線防止指数UPFが表示されている商品もあります。
紫外線対策をして、どうぞ肌の健康も保ってください。
(2018.12.27)