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新潟市医師会

平成17年度大腸がん検診成績

大腸癌から命を守る

かつて、大腸癌は欧米に多く、日本では比較的少ない病気でした。ところが食事の欧米化に伴い日本人の大腸癌が急激に増加しています。大腸癌による死亡は、厚生労働省の癌に関する統計によれば、男性が肺癌、胃癌、肝臓癌に次いで第四位、女性が平成16年度に胃癌を抜いて第一位になっています。

大腸癌の症状として貧血、腸閉塞、おなかに固いものを触れるなどがありますが、これらの症状が出るのは癌がかなり進行してからです。わずかに一部の直腸癌だけが、比較的早期に血便として気付かれることがある程度です。早期の大腸癌はまったく無症状なのです。

最近、各市町村や職場で大腸がん検診が行われています。これには便中の血液反応を調べる方法(便潜血検査)が用いられますが、大腸癌が出血しやすいという性質を利用したものです。一回の便潜血検査により進行大腸癌の80%以上が、早期大腸癌の30~50%が発見できます。また、大腸癌になるおそれのある大腸ポリープも1cm以上になると便潜血検査で陽性となることが多くなります。つまり、便潜血検査は無症状のうちに大腸癌を発見できるもっとも簡単な方法なのです。

新潟市では平成2年度より大腸がん検診が行われており、その検診成績は全国に誇れるほど優れた内容です。平成17年度の検診受診者は約49,000人、便潜血検査で陽性となり精密検査を受けた方は2,416人、そのうちの251人で大腸癌が発見されました。発見された大腸癌の7割以上が早期癌であり、多くは内視鏡による簡単な手術で治療を終えることができました。精密検査を受けた方の約10%(10人に1人)で大腸癌が、約40%(5人に2人)で大腸ポリープが見つかっています。

大腸癌は症状がなくても自分の努力によって発見できる癌です。大腸癌から身を守るために、50歳以上になったら年1回の検診を受けましょう。また、検診で要精検(精密検査が必要)といわれた時には、必ず内視鏡検査を受けるようにしましょう。

(新潟市大腸がん検診検討委員会:月岡 恵)

新潟市大腸がん検診成績 平成17年度
受診者数 49,002人
要精検査数(率) 4,142人(8,5%)
精検受診者数(率) 2,416人(58.3%)
発見大腸がん 251人
進行がん 68人
早期がん 173人
報告がん 10人
がんの疑い 3人
大腸がん発見率 0.51%
早期がんの割合 71.8%
その他の病変 1,341人
大腸腺腫 934人
その他のポリープ 148人
大腸憩室 153人
潰瘍性大腸炎 3人
その他 103人
異常なし 604人

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