張 逹聰
月灯蟲音冠首
月兒圓掛照輝光
灯下苦吟尋澁腸
蟲似催詩叫加勢
音聲嘹亮響書房
其二
月亮高懸耀四周
灯紅酒綠疫情憂
蟲憐病毒猶猖獗
音似替人申怨啾
其三
月光盈缺似人生
灯燭經時漸滅明
蟲識順天廻季節
音悲喞喞寂哀鳴
月灯虫音を首に冠す
月児円く掛り昭輝して光る
灯下に苦吟 渋腸を尋ねる
虫催詩に似て叫んで加勢
音声嘹亮 書房に響く
其二
月亮高く懸り四周に耀く
灯紅酒緑の疫情を憂う
虫も病毒の猶猖獗を憐れみ
音 人に替り申怨に似て啾く
其三
月光の盈欠は人生に似たり
灯燭時を経て漸と明り滅ぶ
虫は季節が天に順じ廻るを識り
音悲しく喞喞と寂しく哀鳴
[註]澁腸…渋い詩腸。 嘹亮…音声が響亮。 灯紅酒緑…夜の娯樂繁華場所の景象。 病毒…ウイルス。 加勢…勢をつける。
(令和2年10月号)