大滝 一
はじめに
2024年の夏はクロアチアなど中欧3か国に行きました。日本より涼しいのではと期待していましたが、日中は35度前後と毎日とても暑かったです。ドゥブロクニクの日陰のない要塞のウォーキング、プリトビッツェで観光客が多く船に乗れず、来た道を引き返した歩きの1時間、これらは本当につらかったです。
そこで今回は前回も希望したものの予約がいっぱいで取れなかった、夏も涼しい北欧への旅行を早めに予約しました。旅行は8月でしたが、9か月前の2024年12月の段階で何とか予約ができました。いつもお世話になっている旅行会社のスタッフの話では、夏は涼しい北欧が大人気で、半年以上前でも予約は取れないことが多いとのことでした。旅行プランが出たらすぐに予約しないと無理のようです。
北欧はヨーロッパ旅行の中でも、御三家のフランス、イタリア、スペインに次ぐ2番手グループのドイツ、イギリス、スイスと並ぶ人気とのことでした。今回はデンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、そしてまたデンマークという順で観光してきました。前編はデンマークからノルウェーまで、後編はスウェーデンとフィンランドが中心となります。一読いただき、少しでも北欧気分に浸っていただければと思います。
いざ出発~まずはコペンハーゲンへ
羽田空港からの出発時間は8月7日の午前11時45分。3時間前の9時集合でしたので朝一の新幹線でも間に合いそうでしたが、念のため前泊しました。ホテルは第3ターミナルの3階に直結のロイヤルパークホテルです。夜は江戸小路の奥の和食レストラン「すぎのこ」で腹ごしらえをしました(写真1)。ここは和食を中心に居酒屋的要素もあり、メニューも豊富で便利なため、海外に出かける時にけっこう利用しています。
日本とデンマークの時差は7時間で、フライトはスカンジナビア航空で13時間半でした。機内食はシンプルで割とあっさりしていましたが食べやすくワインと共にいただきました(写真2)。写真の他にメインの食事があり、こちらはもっとしっかりしていました。
コペンハーゲン空港に着くと、猛暑の日本とは大違いでとても涼しく、ツアー参加者が一同に「涼しい!」を連発していました。寒いくらいに感じ、これから1週間は快適に過ごせそうで嬉しく思いました。世界の中でも夏の観光の人気スポットであることを肌で感じました。
ツアーガイドさんからの話ですが、デンマークには無名、無人の島を入れると1,500ほどの島があるそうです。首都のコペンハーゲンは北海とバルト海を分ける突き出た半島部分と約400の島からなり、首都機能はシェラン島という島にあって(図)、首都機能が島にあるのは世界的にみても珍しいとのことでした。なお、コペンハーゲンの人口は約80万人で新潟市とほぼ同じ規模となります。
観光初日:コペンハーゲンからベルゲンへ
ホテルで一泊し、北欧初日の朝食となりますが、正直ホテルの朝食は一見してあまり食欲がわきませんでしたので、ホテルの向かいのサークルKに行ってみました(写真3)。そこで買ったピザパン、シナモンロール、ウィンナーパンは美味しかったです。北欧全体がそうかは分かりませんが、多くのガソリンスタンドにコンビニが併設されていてとても便利でした。かなりの品ぞろえで、パンとコーヒーなど飲料のコーナーは日本のコンビニ以上に充実していました。
観光のスタートはバスでコペンハーゲンの市内観光です。まずは有名な人魚姫の像ですが(写真4、5)、思ったより小さく「世界の3大がっかり」とも言われています。岸から少し離れた石の上にあり触れることができないようになっていて、午前中は逆光なためあまり良い写真は撮れませんでした。
また街中の運河を囲む彩りきれいな家並みの中に(写真6)、童話作家として有名なアンデルセンが晩年に住んでいたとされるアパートがあり、その外壁にプレートが掲げられていました(写真7)。運河をはさんだその向いに、これも人魚姫とされる黄金の胸像が壁に掛けられています(写真7)。この人魚姫、前述の人魚姫の像と比べて、皆さんどう思いますか?観光としてその他にはゲフィオンの泉(写真8)などが印象的でした。
その後に昼前の飛行機でノルウェーのベルゲンに向かい、フライトは約1時間でした。コペンハーゲン空港のラウンジで昼食をと画策していましたが、残念ながらイスタンブール空港、シャルル・ド・ゴール空港、羽田空港などのラウンジと比べると見劣りし、十分におなかを満たすことはできませんでした。でもワインはしっかりいただきました。
さてノルウェーのベルゲンですが、ここは14世紀のハンザ同盟で有名で、その名残の街並みを見ることができます。カラフルな家並みで遠くから見るときれいで土産屋などが軒を連ねていますが(写真9)、木造建築のためかなり老朽化しており、家が傾いたり、柱が曲がったりしていて、一部は壊れそうな感じで怖かったです。ここではガイドさんお勧めで評判のシナモンロールをいただきました(写真10)。これは美味しかったです。ベルゲンに行かれたら是非味わってみてください。
その後は3時間のバス移動で、有名なハダンゲルフィヨルド沿いを走り、その途中には「ステインダルス」という立派な大きな滝もありました(写真11)。夕刻にフィヨルドを一望できるホテルに到着しました。写真12はホテルの窓から雄大かつ荘厳な夕暮れのフィヨルドです。この時期の北欧は夜9時くらいまで明るかったです。
観光2日目(フロム鉄道とソグネフィヨルドクルーズ)
朝はノルウェーの作曲家グリークの「ペールギュント」を聞きながらフィヨルドを眺めました(写真13)。光景と曲が絶妙にマッチし、このような景色を眺めながら曲作りをしたのかな、などと勝手に想いを巡らしました。家内も同様に感じたようです。
2日目の行程は、ホテルからバスで1時間のヴォスへ、そして鉄道でフロムへ、フロムから観光列車のフロム鉄道に乗車です(写真14)。列車の後ろには、そびえる山から流れ落ちる幾筋かの滝が見えます。この地域は滝がとても多いという印象を持ちました。フロム鉄道はかなり有名らいしいですが、私と家内は知りませんでした。しかし、鉄道マニアの5歳の孫は知っていました!
そのフロム鉄道の途中に轟々と流れ落ちる巨大な「ショース」という滝があり、そこで列車はいったん停車し滝を鑑賞しました。その滝の真ん中あたりの岩陰から赤いドレスを着た女性?が現れて音楽に合わせて何やら踊り始めました(写真15、16の矢印)。聞くところによると北欧の伝説に登場する「フルドラ」という森の精霊が観光客を歓迎しているのだそうで、機嫌の良い時にしか現れないとのことでした。ツアー仲間では「妖精はいないだろうから、役場の職員ではないか」とか「アルバイトの学生ではないか」という下世話な声もあがっていました。なおフロム鉄道は約20kmと短い路線で、乗車時間は1時間ほどでした。
午後からは今回の旅行のメインの一つであるフィヨルドクルーズです。ノルウェーの5大フィヨルドとして、ソグネ、ハダンゲル、カイランゲル、ノール、リーゼがありますが、今回はその中でも最も名が知れ、全長が200km、氷河で削り取られた深さ1300mと世界最大のソグネフィヨルドを約2時間かけてクルーズしました。あいにく天候は曇り時々雨という状況で、真っ青な空、緑の山々、海水と淡水の入り混じった青緑の水面、というわけにはいきませんでした。しかし、今まで見たことがない急峻な山々とそれらに囲まれたフィヨルドの雄大さ(写真17)、あまたの長く大きな滝には感動しました(写真18、19)。滝は何段もあるものや山の上から流れ落ちる長いものなど多種多様でした。それらも含めて雄大さと荘厳さを十分堪能させていただきました。
今月号はここまでとなります。次号では後半のスウェーデンとフィンランドをメインにした紀行となります。

写真1

写真2

図 北海・バルト海、あなたは違いが分かる?
引用元:西尾 麻貴 Maki Nishio /オンライン・コレペティ(2025年12月2日閲覧)

写真3

写真4

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(令和8年1月号)