木村 洋
陽春薫風、春風に誘われて磐越道をドライブがてら福島県立美術館の大ゴッホ展に行ってきました。大盛況でなかなかじっくりと鑑賞することはできませんでしたが、ゴッホの絵の変遷の一端を知ることができたのかなと感じました。
今回の一番の目的は「夜のカフェテラス」に会いに行くことでした。「夜のカフェテラス」は南フランスのアルルを旅した時に案内された場所です。実際にゴッホが描いたであろう所に佇んで、情況を想像したところです。実際の絵はかなりの大作で、青い星月夜の下、黄色く浮かび上がる街角のカフェとそこに明るく集う人々が生き生きと描かれていて、その頃のゴッホの精神の安定を示しているのではと感じました。
今回の展覧会は初期のオランダ時代、パリを経て南フランスのアルルに至る前半生に焦点を当てた作品が展示されています。オランダ時代は労働者を描いた暗い印象の作品が中心です。またパリ時代は(彼は思い込みも激しい性格だったようで)農民画家のミレーの作風に憧れ、農民や工夫などの作品が多くを占めており、いわゆるゴッホの個性が確立されていない印象でした。ジャポニズムに憧れてアルルに移ってからは明るい色調が表れてきているように感じられました。
もう一つゴッホ展で見たいと思っていた作品は「アルルの跳ね橋」です。しかし本展ではアルルに至る前半までで、アルルからサン=レミ、そしてオーベル=シュル=オワーズに至る最晩年の作品は2027年開催の展覧会でとのことでしたので「アルルの跳ね橋」は残念ながら見ることできず、お預けとなりました。
本展覧会では5作品限定で写真撮影が許可されていましたので、拙い写真を供覧いたします(著作権には抵触しないと思います)。
余韻に浸り、道路わきの残雪を見ながら、燃費優先のエコドライブで帰ってきました。


(令和8年4月号)