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新潟市医師会報より

新潟市医師会

“赤字”でした

監事
荻荘 則幸

コロナ禍以後、病院協会等の調査でも約60%以上の病院が、のきなみ赤字決算となっている。また地域医療の中心となる公立病院も、2024年度は総務省の発表では83%が経常収支赤字であった。2024年度の日本医師会の調査でも赤字の診療所が全体の45%との事である。新潟市医師会2024年度の決算も赤字であった。赤字決算は過去にもあり、2009年に新潟市医師会事務局が白山浦から現在の紫竹山に移転、新たな新潟市急患診療センターを開設した際に赤字を計上している。

2013年度より新潟市医師会会計は一般社団法人として、公益法人会計基準で会計処理が行われてきている。民間企業会計の「損益計算」が「正味財産増減計算」に当たる。2013年度より正味財産増減は昨年度まで黒字で推移してきていた。2013年度より会計が分かりにくい原因は、一般社団法人の認可を得るために、それまでの法人の内部留保を支出計画を策定して“0円”にする必要があった。この支出計画の期間設定は100年間でもよいが、新潟市医師会は21年間で“0円”にする予定である。現在の公益目的財産を公益目的支出で本年度までに12年間行って減らしてきている。

医師会活動の地域医療事業とメジカルセンター事業の2つを公益目的事業としてきた。そのひとつの、地域医療事業については、新潟市医師会は現在の医療課,前地域医療推進室の中で2つのセンター事業を実施してきている。新潟県の地域医療介護総合確保基金からの新潟県在宅医療推進センター整備事業補助金によるものと、また、もう1つの事業である介護保険制度が平成26年に改正された際に設けられた地域支援事業交付金による新潟市在宅医療介護連携センター業務委託料によるものの2つの事業である。しかし、これらの補助金、委託料のみで事業が運営できているか検証が必要である。

また、メジカルセンター事業では、新潟市からの委託として各種の検診の精度管理を実施してきている。その中には、検診読影料の単価、精密検査事務管理費、精密検診事務手数料等があるが、今後この事業も検証が必要である。

その他に、新潟市医師会会計の中には、上記の2つの他に急患診療事業等収益事業と医師会本来の法人会計の合計4分野があり、それぞれで会計を区別している。これら4つの会計分野にそれぞれ収支決算を行っていることが、全体の会計が分かりにくくなっている原因である。それぞれの分野の経費、人件費は、その分野への関与する職員の人数、それぞれの事業に必要とされる光熱費等の各種の経費は事業所等の面積割で算出されている。

今回の赤字の大きな原因は、急患診療事業等収益会計の中の新型コロナ予防接種事務委託料の大幅な減少と、急患診療センターの患者減少による診療報酬減少に伴う事務手数料の減少である。しかし本来、新型コロナの蔓延による予防接種事務手数料は、後年度予算も設定できない突発的な収入である。急患診療センターの患者減少による診療報酬の減少とそれと連動している医師会への事務手数料の減少は、今後のセンター運営の効率化か、もしくは、事務手数料が含まれている指定管理料の値上げを新潟市に要求する必要がある。また、急患診療センターの事務手数料を財源とする急患診療センターに執務している医師の時間給の上乗せ分の見直しや同じ財源から支出している新潟大学医学部医局、新潟医学振興会への寄付金の整理、整合性の検討も必要である。

そもそも医師会は会員の会費によって運営される団体であり、民営の営利企業ではない。いろいろな事業を、行政、おおむね新潟市から請負って、その結果として赤字に転落する事は医師会運営の趣旨にそぐわないと思う。会員等のステークホルダーに対して説明責任もあり、詳細な分析が必要である。さらに、医師会事務員の勤務時間の適正化とコンピューターによる勤怠管理システムの導入による職員の働きかたの合理化も必要である。

現在、予算作成は、1月ころから始め3月には完成させているが、作成には職員の膨大な時間と労力が費やされている。一般的に一般社団法人は予算作成の義務はない。しかし新潟市医師会では会員向けの説明責任や予算ガバナンスの観点から内部規則で作成を義務づけている。当法人は行政機関のような厳格な予算準拠主義で経理処理は行ってきていない。年度内での補正予算の作成や、予算が余った際の剰余金の処理も定めていない。予算と決算を対比して予算に対する執行状況報告も作成してきていない。予算作成時に前年度の予算と比較した増減を述べているだけである。どちらかといえば企業会計基準ベースの発生主義で経理処理を行ってきている。行政機関は予算管理、適正執行を行い補正予算も組んで、予算で認められた範囲内で支出する。当法人では最近やっと前年度の決算見込みと対比して予算書を作成して適正な予算におけるガバナンスを実施してきている。

しかし行政機関とは会計基準が異なるので、その合理化の一環として、6月の決算時期に前年度の決算書作成と一緒に次年度の予算書を作成してもよいのではないかと思う。その方が決算と予算を対比して正確な予算書を作成できる。また事務職員の労力と時間の削減になると思う。

新潟市医師会運営も、その長い歴史の積み重ねと、これからの将来に対する変革を見据えて、今回の決算を機に、医師会事業の見直しを行い、事業の再検討を行うべきである。新潟市に協力することによる市民への医療、介護、保健のサービスも極めて大切であるが、医師会会員に対してその出資に相応する、より一層のサービス、対価の拡充も必要である。

(令和7年10月号)

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