済生会新潟第二病院 初期研修医 長谷川 順紀
私は大学生時代、スノボ(スノーボードは平野歩夢、ショーン・ホワイトがやっている魅力的なスポーツ。スノボはチャラついた若者が雪山でやる板滑り。スノーボード≠スノボである)をする友人たちを毛嫌っていた。ウェア、板、靴をそろえれば5、6万円はするのがスノボだ。そんな高価なものにバイト代を費やし、毎週末雪山に繰り出しては男女仲良く滑走を楽しみ、挙句の果てには楽しそうな写真をSNSに投稿して「私たちは、こんなに楽しいことをしています!大学生の中の勝ち組です!」と言わんばかりに視聴者を煽ってくる。…実に羨ましかったのだ。「そんなチャラついたやつ、ろくな医者にならないぞ」と表向きには思っていたが、それは毛嫌いなんかではない。ただの醜い嫉妬だったのだ。大学時代、友人たちは毎週末雪山にいった。その一方で私は毎週末痩せもしないのにジムにいった。私だって男女で雪山にいきたかったのだ。でも私は生まれてこの方スノボはおろか、スキーさえろくにしたことがなかった。スノボは上手な男が下手な女の子を教えるものだと想像していた。こんな俺がいまさらスノボなんて…という思いから、私は大学時代、一切スノボをしなかった。
そんな私だったが、2018年1月中旬(研修医2年目の冬)に、不意に友人から「スノボをやってみようよ」と誘われたのだ。最初は断固拒否していたが、冷静になって考えた。「これからいろいろな病院に赴任する中で、雪山にちかい病院に行けば、みんなでスキー・スノボにいくことになる。その時に滑れないのは恥ずかしい」と思い、思い切って雪山へ繰り出した。するとどうだろうか、スノボとはなんて楽しいものか。颯爽と銀世界を滑り降りる感覚は格別である。今ではマイボードを購入し、毎週のように雪山へ繰り出している。いつかスノボからスノーボードへSTEPすることを夢みながら。
これからでも間に合います。ぜひ雪山へ。
(平成30年3月号)