高橋 淑子
普段の買い物は信濃町周辺で済ますことが多いのですが、今でいうスイーツのお店が一つずつ消えていったこの町に寂寥感さえ覚えます。でも最近、目立たないけれど実力派のお店が少しずつ見受けられます。
ある日、毎日通る道すがらにあるマンションの1階に、間口は狭いがきちんとした佇まいのお店を見つけました。中の様子をさっと伺うと輸入雑貨のお店かなと思いましたが、入って確かめるタイプの人間ですので、ここはためらうことなくお店にはいりました。
東京で長い間サラリーマンをしていたとは思えない店主(学生街の喫茶店のマスター風)と、私の友人たちにはあまり見当たらない穏やかでピュアな感じの奥様が出迎えてくれました。
両壁の棚には厳選された「はちみつ」の数々。ここははちみつ専門店だったのです。国産はもとより、フランス産、ニュージーランド産を中心に50種類ちかくのはちみつがあります。アカシア、とち、りんご、みかん、菩提樹、そば等々。世界的に人気が高いマヌカハニーやコムハニー(巣蜜)もあります。
素朴な疑問にも丁寧に、かつこちらの好奇心がゆさぶられるように、まるで絵本を読んでもらっているかのごとく優しく説明していただけます。
一区切りついたタイミングで、奥様がテイスティングを勧めてくださいます。その日のお試し紅茶もいただけます。元々コーヒー派の私ですが、ここの和紅茶(特に伊勢という銘柄)はお気に入りです。時期によっては、初摘みの紅茶も手にいれることができます。
もちろん、合わせたい食品(乳製品やパン類、果物など)と相性のよいはちみつも指南していただけます。
はちみつの他に、副産物であるローヤルゼリー、プロポリス、蜜蝋などや、その素材を使用したケア製品やキャンドルなどのグッズも揃っています。
2年前のバレンタイン時には、世界的に有名なはちみつ専門店レザベイユの季節限定チョコにも遭遇し(要予約。県内で正規取扱い店舗はここを含めて2軒しかないことをあとで知りました。そういうことを自慢しない点も素敵なお店の条件ではないでしょうか)義理チョコに調達させていただきました。
ちなみに店名「エルスール(El Sur)」とはスペイン語でʻ南ʼという意味です。ビクトル・エリセ監督の映画「エルスール」(同監督の映画には「ミツバチのささやき」という映画もあり、多少こじつけもあるとのこと)からとったそうです。
店主のブログにも癒されますが、お店も訪ねてみてください。ちょっとした豊さをいただけること間違いなしです。
住所 | 新潟市中央区文京町9-18 アドラブール文京1F |
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電話番号 | 025-201-9813 | |
営業時間 | 10:00~19:00 | |
定休日 | 水曜日 |