須田 生英子
新型コロナウィルスが蔓延し、新潟県内から出ていくことがままならなかった3年間。“近場でやったことないレジャーを”と考え、1泊2日の自転車旅を計画しました。目的地は「奥胎内ヒュッテ」。天気予報とにらめっこしながらの決行です。私の愛車はお古の6段変速シティサイクル、前かご付き。自転車は素人です。(苦しかった道中は割愛し)たどり着いた奥胎内は、非日常に溢れていました。
奥胎内ヒュッテの周りは森。ヒュッテの右側はキャンプ場になっていて、キャンパーが焚火を楽しんでいます。素敵…。エントランス手前にはパラソルのついたテーブルとイスがあります。まずは、ここで一休みして森の空気でも楽しみましょうか。
一息ついたらロビーでチェックインを済ませ、ヒュッテの部屋へ。バス・トイレ無しの部屋もあるのは、飯豊連峰登山の入り口として利用される方もいらっしゃるためでしょうか。共用洗面所は清潔で、どちらのタイプの部屋でも宿泊できそうです。館内にはTVはなく、ロビーでのみWi-Fiが使用できる環境です。ここはひとつチェックアウトの時間までPC、スマホの電源を切ってみましょう。
ヒュッテの周辺には4つのトレッキングコースがあり、体力や気分に合わせて楽しむことができます。バードウォッチングも盛んで、運が良ければアカショウビンに出会えるかもしれません。またヒュッテの奥には胎内川の支流が流れており、河原まで下りていくことも可能です。ちなみに6月から10月までの間、乗用車での乗り入れができない「足の松登山口」へは、乗り合いタクシーが運行されているようです。飯豊連峰踏破のかたは、前日にロビーで予約を取っていらっしゃいました。
屋外での活動を十分に楽しんだら、次はお風呂でしょう。こちらのお風呂、窓は一面木々に囲まれ、まるで森の中で入浴しているようです。あぁ…癒される…。大規模な温泉旅館に比べ、湯船を独占できる確率が高いのはお勧めポイントのひとつです。
一日たっぷり体を動かし、お風呂も堪能したらお楽しみの夕食です。胎内高原ビールを飲みながらゆっくり楽しみましょう。私は焼きたてで提供されるパンに感動しました。ここでは、会話が極上のおつまみです。
お腹も心もいっぱいになった後は、ロビー横のラウンジで備え付けの山の本でも楽しみましょうか(新潟県内で登れそうな山が見つけられます。メモ、メモ)。また、日頃読み損ねていた本を持ち込んで、ゆっくりページをめくってみるのもいいかもしれません。静かな時間が心地よく感じられます。
PC、スマホから離れ静かな夜を過ごせば、ぐっすり眠って寝覚めもすっきり。食事の前に朝の森林浴に出かけてみるのもいいでしょう。マイナスイオンをいっぱい吸収できます。ヒュッテでの朝食は、テラス席で木々と川を眺めながらいただくことも可能です。ただし席数が限られていますから、あらかじめ予約しておく必要があります。
森と共に一夜を過ごし、体も心もリフレッシュしたら、新潟目指して帰りましょう。帰りは下りですから超楽ちん。車でお越しの方も胎内川や胎内第一ダムの絶景を楽しみながら下りていかれれば、良い思い出を作れること間違いなしです。
*なお奥胎内ヒュッテの営業期間は、例年6月から11月中旬のようです。また、2023年は、県道53号線土砂崩落の影響で長期間にわたり営業が中断されていました。奥胎内ヒュッテに行かれる際は、HPで十分ご確認ください。