永井 明日香
新潟にはパン屋さんが多い。どうしてなのか、AIに聞いてみると、新潟は元々食の激戦区であり、消費者の味への審美眼が優れている、職人が技術やこだわりを新潟の風土に合わせて表現しやすい環境があるのだと。私は専門学校が多いから、というのも理由の一つと思っている。我が家の朝食はパンなので、いくつかお気に入りのパン屋さんがあるが、今回は新潟愛に溢れる新店をご紹介したい。
昨年、夕食を作る私と母がたまたま居ない日に、父と主人が近くのお寿司屋さんに行った時、隣にいた青年と話が弾んだとのこと。彼は約10年間ヨーロッパで修行したパン職人で、自分のお店を出したいと熱く語っていたそう。彼の名は、西方健さん(通称 にしけん君)。にしけん君は、専門学校を卒業後、パリで4年間、ドイツで1年間、イタリアで5年間パン作りを学び、2年前に帰国後、新潟県内をあちこち旅するなかで新潟の豊かな食文化に触れ、今まで勉強してきたことを新潟の素材でやってみたいと考えるように。一念発起して、2026年2月新潟市西区にgrains.をオープンした。
テーマは「土地を表現するパン」。新潟の風土とヨーロッパの伝統技術を掛け合わせた、地域密着型のベーカリーだ。新潟県産の小麦のみを使用し、特注のフランス流の二層式薪窯で焼く。この薪窯でパンを焼くと、外側はぱりっと香ばしく、中はもっちりみずみずしいパンが焼ける。店内に入ると、ガラス張りの奥にこの立派な薪窯と、カウンターにはずらっと並んだこだわりのパン、壁には新潟のどこで小麦が栽培されているかを示した地図があったり、実際の小麦の粒を飾ったり、さながらパンの博物館みたい。そして、奥様のかりんちゃんと、お母様の昌子さんが笑顔で迎えてくれる。対面販売スタイルで、それぞれのパンの美味しい食べ方、お料理との合わせ方、保存方法などお客さんとお話しながら提案してくれる。看板商品のグレインズブレッドは、そのままでも美味しいし、バターやオリーブオイルをたっぷりぬってもいい、チーズやワインにもバッチリ合う。旬の新潟食材(例えば弥彦の枝豆、いちじくなど)を取り入れたパンもお得意。食材が豊富な新潟だからこそ、新潟の小麦で作るパンを、新潟の美味しい魚、肉、野菜と一緒に食べてほしい、と熱く語るにしけん君。きっとこのお店は新潟のパン文化の発信拠点となるでしょう。
grains.
| 住所 | 新潟市西区青山4丁目1-37 | |
|---|---|---|
| 営業時間 | 8:00~16:00 | |
| 定休日 | 火曜・水曜 | |
| 駐車場 | 5台あり | |
| https://www.instagram.com/grains_niigata/ | ||
(令和8年10月号)