日本歯科大学新潟病院 院長
戸谷 収二
日本歯科大学は2026年に創立120周年を迎えます。新潟生命歯学部の附属病院である日本歯科大学新潟病院のこれまでの歩みと今後の展望について述べたいと思います。
新潟病院は1972年4月に日本歯科大学新潟歯学部附属病院として開院し2026年で54年目を迎えます。現在、診療部門として新潟病院は歯科部門、医科部門、そして在宅ケア新潟クリニックを開設して展開しています。
歯科部門は、歯・顎・口腔の総合医療施設として、総合診療科、口腔外科、歯科麻酔・全身管理科、矯正歯科、小児歯科、放射線科、訪問歯科口腔ケア科、口腔インプラント科があり、入院治療のための病床50床をはじめ、全身麻酔可能な中央手術室、CTなどの高度高額医療施設を設備して、多くの患者さんの診断治療と教育・研究の一翼を担ってきました。
さらに診療センターとして障害児・者、睡眠歯科を有し、特殊外来として白い歯、スポーツ歯科、いき息さわやか、あごの関節・歯ぎしり、口のかわき治療、歯科アレルギー治療、歯科鎮静リラックス、顎のかたち・咬み合わせ、歯の細胞バンク、MRONJ外来があり、多様化する高度専門歯科医療に対応しています。また、地域歯科診療支援病院として、歯科の三次医療機能に加え、地域の医療機関や福祉施設との連携を強化し、積極的に地域の多職種連携医療、在宅歯科医療を推進しています。
全国歯科大学に先駆けて1987年9月に在宅歯科往診ケアチームを設置し、地域の要介護高齢者や障害者の訪問歯科診療や口腔ケアに従事し、多くの社会福祉施設において無料歯科検診を行うなど、地域歯科保健医療に寄与してきました。
そして、この長年にわたる経験は、2004年の新潟県中越地震、2007年の中越沖地震、さらに2011年の東日本大震災などの大規模災害時に、被災地に赴き、被災者への応急歯科診療と口腔ケアを行うなど多方面に役立っています。このような種々の活動は、第60回新潟日報文化賞や第63回保健文化賞を受賞するなど、高く評価されています。
2010年以降は、超高齢社会のニーズに応えるべく在宅歯科教育を必修化し、2014年には国内初となる在宅専門の診療科へと移行しました。さらに、2018年には新潟県三条市に在宅専門の歯科診療所である在宅ケア新潟クリニックを開院し、質の高い在宅歯科医療の提供と在宅歯科教育に力を注いでいます。
医科部門は1980年、日本歯科大学新潟歯学部の歯科医師医育機関として附属医科病院として開設されました。歯科医学と医学の融合を図るため、一般医学の講義に加え、医科部門における医科研修を行っており、ほかの歯科大学には見られない大きな特色となっています。2021年10月に医科及び歯科病院を統合して、名称を日本歯科大学新潟病院として現在に至っています。
このように新潟病院は地域医療を支えるとともに、歯学部や短大学部の教育・研修の場として機能している附属病院です。医療現場は地域医療構想として中長期的な人口構造や地域の医療ニーズの質・量の変化を見据え、医療機関の機能分化・連携を進め、良質かつ適切な医療を効率的に提供できる体制の確保を目指し、医療DXを含めた変革の時期に入っています。本院も改革の波に乗り、本学120周年を迎えた今、さらなる先を目指して病院の理念でもある「患者さんに信頼され、安心・安全で良質な医療を提供する」ため日々努力を継続したいと思います。

(令和8年9月号)