医療法人愛仁会 亀田第一病院 院長 村岡 幹夫
本年1月11日、多くの先生方に親しまれた渡邉研二前院長がご逝去され、後任として亀田第一病院院長に就任することになりました。何卒よろしくお願い申し上げます。1979年、田島達也教授の主宰される新潟大学医学部整形外科学教室へ入局し、整形外科・リハビリテーション医学の研修をさせていただきました。1998年、亀田第一病院に赴任しましたが、早いもので、今年で21年が経ちました。
医療法人愛仁会亀田第一病院は、地域の皆様、関係各位皆様の御支援をいただき、2017年に50周年の節目を迎えることができました。現在、病床数197、診療科目19科を有する救急病院として、地域医療の一翼を担っております。
主な診療科は内科、外科、産婦人科、整形外科、麻酔科、泌尿器科、リハビリテーション科ですが、新潟大学医学部を中心に、出張医師の応援をいただき、形成外科、脳神経外科、脳神経内科、皮膚科、内分泌内科など、幅広く患者さんの要望に応えられる体制を取っております。内科は一般内科のほか、消化器科、呼吸器科、循環器科と分化し、より専門性の高い医療を提供しています。特に、消化器科では、内視鏡専門医による早期診断、鏡視下手術を積極的に行って参りましたが、患者さんだけでなく検診を希望される方も多く、2020年10月には内視鏡センターとして、独立運用すべく建設を進めております。外科は消化器外科を主としていますが、腹腔鏡手術をはじめ各種外科手術を行う一方、乳がん検診から悪性腫瘍に対する化学療法まで、幅広く患者さんのニーズに応えるようにしています。産婦人科は分娩、産科手術のほか、女性骨盤臓器脱の手術まで、昼夜を問わず診療しております。整形外科は、外傷、関節外科、小児整形外科、関節リウマチ、脊椎疾患まで幅広く運動器疾患の診療をしていますが、脊椎疾患については1999年、新潟脊椎外科センターが独立し、より専門性の高い医療を提供する体制となりました。さらに、2007年には、新潟股関節センターが独立し、全例ナビゲーションシステムを用いた精度の高い人工股関節置換術を行っております。また、前院長のライフワークであった乳児股関節検診は、その遺志を引き継ぎ、院内外での検診活動を継続しております。泌尿器科は2016年、当院では最も新しい診療科として開設されましたが、患者層の高齢化とともに男女を問わず、その需要が増し、検査・手術は増加の一途をたどっています。これら外科系の手術は年間2,300例を超えますが、麻酔科専門医の管理のもと、安全に手術が遂行されております。リハビリテーション科は、高齢化社会の到来と手術患者数の増加により、その需要が高まり2017年、リハビリテーション室の新設拡張をはかりました。
ところで、当院の玄関には「ヒポクラテスの木」として親しまれているプラタナスの木が植えられております。これは、蒲原宏博士がヒポクラテスの生地、ギリシャのコス島から持ち帰られた球状集合果より発芽した蒲原株・第8号2に相当するものですが、ヒポクラテスの誓い(ジュネーブ宣言1948)を学び、思い起こす契機になってもらえればと思っております。
最後になりますが、52年の歩みを踏まえ現在、病診連携登録医に115名の先生方が御登録下さっておりますが、今後一層「地域に根付いた病院」作りを進めたいと思っております。今後とも御支援、御指導をいただければ幸いです。