会長
岡田 潔
世界の原油輸送の約4分の1が通過するホルムズ海峡はペルシャ湾からインド洋へと繋がり、最も狭い場所の幅は33km。新潟市と佐渡島を結ぶ佐渡海峡も、ほぼ同じ31.5kmの海峡です。
米国とイランは2026年6月16日に戦闘終結で合意したものの、6月下旬(原稿締切)の時点で、両国はお互い停戦合意に違反したとして、攻撃し合っています。そもそも、トランプ大統領は中間選挙に向けてイラン戦争を終結させたい。しかし、米国とともに戦争を始めたのはイスラエルです。イスラエルには、イランの脅威からイスラエルを守るためにはイランを攻撃しなければならない、という大前提があります。
歴史的な話をすれば、第一次世界大戦中、イギリスは密約でアラブ人とユダヤ人の双方に、パレスチナで国家擁立を約束。1948年5月14日にイギリスのパレスチナの委任統治が終わると、ユダヤ人の指導者が「イスラエル独立宣言」を発表して建国した人工国家がイスラエルです。しかし、アラブ側の強い反発で中東戦争が起こって、今でも両者の衝突は続いています。イスラエルは建国当初から、戦いを続けて永久に領土を拡大しようとしています。これはイスラエルの宿命なので、誰も止めることはできません。
第一次世界大戦の当時にパレスチナを委任統治していたイギリスは、ユダヤ系の大財閥からの資金援助を当てにユダヤ人の国家を作ると約束。一方では、オスマン帝国との戦いに協力してもらう代わりに、アラブ人にも独立国家をつくると約束しました。それに加えて、フランスとはパレスチナ地域の土地を山分けしようと密約も結んでいました。このイギリスの三つの約束は「三枚舌外交」と呼ばれました。
今の日本医師会の立場はこの「三枚舌外交」に例えてみれば、厚労省(本来は医師会サイドですが)と財務省に挟まれ、さらに維新の会の「4兆円削減」で「三方塞がり」です。
2年後の診療報酬改定に向けて、財務省の狙いに対して、我々医師会員が心構えできるようにと、日本医師会長の松本先生から直々にお話を伺うことができました。危惧される五つのポイントを、日本医師会版「五箇条の御誓文」みたいに箇条書きにしてみました。
一、「ワンコイン制度」(すべての外来受診時または処方時に一律で500円などの定額負担を求める仕組み)を導入して、医療費を抑える。
二、OTCの選定療養費化を推し進めて、最終的には保険適応外に持っていく。
三、リフィル処方箋の促進、その結果として処方日数が長期になるように誘導。
四、生活習慣病管理料の算定を2ヶ月に1回にすること。
五、かかりつけ医機能報告の狙いは、かかりつけ医以外の受診時に選定療養費を科す、それは患者さんのフリーアクセス権の制限。
特に五番目については、新潟県は1号機能「有り」が全国的に見ても少なく、44.1%に過ぎません。このまま1号機能「有り」が少数派のままだと、1号機能「有り」と1号機能「無し」の医療機関が分断されてしまいます。その結果1号機能「無し」の医療機関には、財務省の主張通り初再診料の減算が行われることになります。全医療機関が結束して1号機能「有り」を選択すれば、財務省はこのような1号機能の有無での分断化を行えなくなるので、是非先生がたのご協力をお願いいたします。
最後に一言。6月25日の代議員会で私の2期目の会長職をご承認いただきありがとうございました。
(令和8年7月号)