山﨑 洋大
もう完全に趣味の領域を超えてしまっていますが、私の憩いのひとときは、小学校5年生の時に始めたテニスです。当時からスポーツは全般的に得意なほうで、野球部、サッカー部、陸上部などの勧誘も受けていましたが、どれもピンときませんでした。そして小学校5年生の夏休みに知人の紹介で、とあるテニススクールの夏期練習会に参加することになりました。
最初は当然のごとくラケットにボールが当たらず、なんて難しいスポーツなんだと思いましたが、コーチが打ちやすい球を出してくれますので、時々ラケットの芯をとらえるとその心地よい感触の虜になりました。そして寝ても覚めてもテニスのことを考えるようになり、家の前で毎日のように日が暮れるまで壁打ちをしていました。中学に入り選手選抜クラスに選ばれ、県のトッププレーヤーと戦うことが楽しくなり、高校の時には主将として北信越大会で優勝することが出来ました。テニスの実力と反比例して成績は下降し、親を悩ませました。
1年間の浪人生活を経て、東京の医学部に進学し、医学部の部活と並行してコーチのアルバイトをしながら首都圏の大会にたくさん出ました。大学生時は日本ランキングを上げる事を目標にやっていました。
そして卒業後は、語学留学を口実として渡米し、今度はアメリカの国内大会に出場しました。欧米人はとにかくサーブの早い選手が多く、パワフルなプレーヤーが多かったです。私のスタイルはミスをせず、カウンターを狙うタイプですが、これが意外と通用することがわかり、日本とは違うテニスの駆け引きを勉強させてもらいました。200km/h以上のサーブを受けられるのはアメリカならではです。またNYでは在住日本人の大会もあり、元実業団の選手やプロの選手も出場しており、海外でも日本人のテニス人口は多いんだな、と実感しました。
医師として働き始めてから現在に至るまで、週3回~4回の練習と週1回のトレーニング、月1回程度の試合に出場することをルーチンとしてやっています。試合後勝っても負けても居酒屋で仲間と楽しい反省会を行います。そして年1回オーストラリアのメルボルンで行われる全豪オープンに観戦に行って自分のモチベーションを上げる場としています。今年は幸運にも最前列で錦織選手、大坂選手の試合を観戦することができました。
今の所、家族の理解を得ながら趣味を続けることができています。怪我に注意してこの先も楽しんでいけたらと思っています。
写真 ダブルスの名プレーヤー、リーンダー・パエス選手(インド)と2018年全豪にて
(令和元年6月号)