古泉 直也
基本情報技術者とは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA:Information-technology Promotion Agency, Japan)が行う、「情報処理の促進に関する法律」に基づき経済産業省が、情報処理技術者としての「知識・技能」が一定以上の水準であることを認定している国家試験・情報処理技術者試験の一つで、ITエンジニアの登竜門といわれており、春期(4月の第3日曜日)秋期(10月第3日曜日)の年2回行われます。以前は、第二種情報処理技術者認定試験とか初級システムアドミニストレータ試験(春期及び秋期実施)とかいっていました。
最初に2013年版の『基本情報技術者 午前試験対策』を買いました。実は買った理由は基本情報技術者試験を受けるためではなく、これより下のレベルのITパスポート試験を受けるためでした。ITパスポート試験の対策本を読んでもさっぱりわからなかったからです。情報処理とは、コンピュータのハードの話からITビジネスの範囲まで幅が広いので、簡単な試験だからと簡単に説明されても何いってんだかさっぱりわからない、理解できないものはわからないし覚えられないということで、上位試験の分厚い本ならもう少し詳しく書いてあるんじゃないかと思い買いました。
ITパスポートは2014年2月に受けて楽勝だったので、なんだか調子に乗ってしまい、ろくに準備もしないで直後の2014年4月の基本情報技術者試験を受けてみたところ散々で、午後の試験の途中で逃げて帰ってしまいました。やっぱり準備しないと駄目かと悟り、2014年の本を買って臨んだ秋の試験は、二日酔で…ではなく、(医師会)仕事がいそがしく新潟大学の五十嵐キャンパスまで受けに行けず。その次の2015年(去年)は春の試験の頃に核医学専門医の講習を受けて夏前に核医学専門医試験を受けることにしてたので、秋についでに基本情報技術者と統計士も取ってしまおうと考えて受けたところ、それなりに準備して挑んだのですが、ついでの二つは撃沈してしまいました。
今年の春期試験は、放射線学会総会の直後で発表の準備に追われていたのと諸事情もあり、学会の後で若い人の中に混じって一日ぼーっと現実逃避をしたかったという理由で受けたところ、なぜか合格してしまいました。年寄りは、試験勉強を一生懸命するよりは体調管理の方が大事なのではないかと思ってしまいました。
昔は、コンピュータ関連の解説本は読んでも、著者の思考回路の理解不能さに頭にくるだけで、決して解説本や取扱説明書は読むまいと思っていました。しかし、あれから30年、時代は移り変わり、どこかがおかしい連中ばかりのようにしか思えなかったコンピュータ関連の人間の中にも普通の人間(? でも、私が普通かどうかは不明ですが…)にも理解できる様に解説してくれる人間が出現したのか、もしくは単にコンピュータができる人間以上に重要かつ必需な、人と人以外の生き物(としか思えないモノ達? )の間に介在してくれる人材が世の中には豊富になったのか、と実感できるようになりました。
実はこの対策本は午後試験対策の方に致命的に欠落があり、午後試験のうち必須問題のアルゴリズムと選択のプログラミング言語の対策はありません。プログラマーだったら自分でしてね、っていう感じです。プログラムしたことがない人は、別にその分の勉強をしておかないと午後の試験の4割がとれず6割以上合格のこの試験は合格できません。要注意です
この春の試験の自己採点が合格点を上回っていた時点で、すでにまた調子に乗って、さらに上位の応用情報技術者試験対策の『午前午後試験対策』を買ってしまいました。この情報処理試験そのものは経済産業省御用達天下り先? のホームページで一般公開されているので本を買わなくても見ることができますが、基本情報技術者より上の応用情報技術者試験は問題文ですらそろそろ本当に人間の言葉ではなくなってきているような感じです。さて今度は何回受けることになるでしょうか?
日頃何を言っているのかわからないモノ達の言葉がすこし理解できる様になるためにお勧めします。
『基本情報技術者 午前試験対策』
『基本情報技術者 午後試験対策』
著者 | アイテックIT人材教育研究部(編著) |
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出版社 | iTEC |
価格 | 各2,592円 |
(平成28年6月号)