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新潟市医師会報より

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『西郷どん』『竜馬がゆく』と『図解 幕末・維新の100人』

大滝 一

今年のNHK大河ドラマは、林真理子が原作の「西郷どん」で、西郷隆盛は坂本竜馬とならび明治維新の2大立役者と称される、薩摩が誇る大人物です。この秋に学会で鹿児島に行くこともあり、ちょっと読んでみようかという程度の軽い気持ちで読み始めました。ところが、読んでいくうちに、西郷隆盛の魅力もさることながら、今までよく知らなかった幕末の激動と明治維新の歴史的な大回天に思いっきり嵌ってしまいました。

大学入試で日本史を選択しましたが、江戸幕府の終焉から明治維新にかけては、人物の名前は知っていても、その歴史的背景などはほとんど知りませんでした。

今まで耳にしたことがある歴史人がどんどん出てきて、ますます興味がわき、たまたま書店で見つけた『図解 幕末・維新の100人』を人物辞典代わりにして読み進めました。西郷隆盛は、人の話をよく聞く、大海原のように懐の深い、慈愛に満ちた大きい人物であったことは間違いないようです。

その西郷が、2度の遠島、さらには入水自殺企図などによる苦難や瀕死の状況に陥っても、日本の新たな国造りにはどうしても西郷が必要で、天意が見放さなかったように思えてなりません。

西郷隆盛が生まれ育った鹿児島の加治屋町は、たった76軒の1km四方の小さな集落だったそうです。驚いたのは、そこから西郷のほかにも大久保利通、大山厳や東郷平八郎など歴史上の著名人が多数排出されていることです。学会の際に訪ねてみようと思っています。

その『西郷どん』を読み終えると、明治維新のもう一人の大立役者とされる坂本竜馬についても知りたいと思いました。かなり前になりますが、「竜馬がゆく」が「西郷どん」と同じくNHKの大河ドラマで放送されていましたので、司馬遼太郎の原作をどうしても読みたくなりました。これは8巻あり大作でしたが、1月11日からと23日からの大寒波のため患者さんも少なく、どんどん読み進めることができました。この坂本竜馬という人物は、幼いころはあまり勉強を好まず、茫洋とした子どもだったようです。

しかし、竜馬はその後成長し、土佐藩脱藩後は住む家も持たず、日本中を駆け巡りました。世界を見据えて新しい日本のあり方を考えて行動していたあたりは、まさに時代が要請した国造りのための一大傑物といってよいと思います。

人間的にも大きな坂本竜馬ですが、おなじ土佐藩出身の岩崎弥太郎の長い顔とねちっとした性格が大嫌いであったという点は、歴史的大人物の中にも人間くささが感じられて、思わずくすっと笑ってしまいました。

二大偉人からは離れますが、維新とその後の新政府で活躍した板垣退助と後藤象二郎に関しても面白い逸話がありました。二人が生まれ育った屋敷が高知城下の隣同士で、どちらも小さいころから手のつけられないガキ大将だったそうです。この二人は普段からよく喧嘩をしていたようで、後藤象二郎が蛇嫌いであることを知った板垣退助は、懐に青大将を忍ばせ、取っ組み合いになった時に後藤の顔に青大将をすりつけたそうです。すると恐怖のあまり後藤が泡を吹いて失神してしまったとのことです。

その逆襲に、後藤が大の清潔好きであった板垣を玄関に呼び出し、出てきた板垣の顔に糞を投げつけたようなことも書かれていて、これはこれで大変面白く読ませていただきました。

いずれにしろ西郷隆盛と坂本竜馬、この二人の先を見据えた「人にはできない大きなことを為すは我にあり」の精神は大いに学ぶところがあります。この二人の歴史的邂逅が現在に繫がる新しい日本の土台を造ったことは間違いありません。

竜馬は「男たるもの、人まねではなく、大きく未来を見据えて新しい大事を為すべし」と言っています。その言葉に痛く感じ入り、自分もそのようにと思いますが、現実は…といった感じです。

『西郷どん』『竜馬がゆく』を読むにあたり、多くの人物が登場しますので、前述した『図解 幕末・維新の100人』を隣に置き参考にすると、夫々の人物像をさらに深く理解でき、面白みもぐんと増すと思います。巻頭の年表も大いに参考になります。日本史の教科書と資料集の関係に似ていますが、今回のこちらの組み合わせのほうがはるかに面白いこと請け合いです。

西郷隆盛は49歳で、坂本竜馬は31歳という若さで、二人とも非業の死を遂げます。日本を造るために天から遣わされた二人にとって無念さはあったと思います。しかし、二人とも「新たな日本国創造という一大事において、為すことは為した」と満足し、志を数多の後輩に託し、二人の御霊は喜びに満ちて天へと駆け登っていったのではないでしょうか。

『西郷どん』上、中、下巻

著者 林真理子
発行所 角川書店
定価 各巻 本体926円(税別)
発行日 2017年11月1日

『竜馬がゆく』1~8巻

著者 司馬遼太郎
発行所 文藝春秋
定価 1~5、7巻 本体650円+税
6、8巻 本体700円+税
発行日 1~4巻 1998年9月10日
5~8巻 1998年10月10日

『図解 幕末・維新の100人』

監修 童門冬二
発行所 成美堂出版
定価 本体1,300円+税
発行日 2017年11月20日

(平成30年7月号)

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