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新潟市医師会報より

新潟市医師会

英会話とAI

県立がんセンター新潟病院
竹之内 辰也

日本に居ながらにして英語がペラペラになりたい、字幕なしで洋画を見たい ─ そう思ったことのある方は多いのではないでしょうか。私も例外ではありません。昔から『ゼロ秒英会話』『3日で英語がものになる!』などと謳ったCD付き英会話教本を買い漁っては、すぐに飽きる、あるいは挫折するという無限サイクルを繰り返してきました。当時は実際に海外へ行く機会もなく、新潟では外国人患者さんも滅多に来ません。そのためモチベーションを維持できなかった、という理由(言い訳)もあります。

そんな自分に転機が訪れたのが、2014年頃から始まった、免疫療法や分子標的療法によるメラノーマ新薬承認ラッシュです(業界ではメラノーマバブルと呼んでいます)。それまではマイナーがんとして陽の当たらなかった皮膚がん領域が、免疫療法の先駆けとして急速に脚光を浴び、製薬企業が海外の著名医師を招いた講演会を頻繁に開催するようになりました。座長など公の場では、お決まりの言い回しで何とか切り抜けられます。しかし最もハードルが高いのが、懇親会でのパーティトークです。医学とは関係のない、趣味、旅行、グルメなどの話題で場をつながなければなりません。このままではまずいと一念発起し、近所にあった個人経営の英会話教室に通い始めました。アメリカ人と日本人の夫婦による、週1回・1時間の個人レッスンでしたが、超朝型人間の自分にとって、夜8時開始というのは既に就眠時間帯です。脳活動はほぼ停止状態で、英語どころか日本語ですら呂律が回りません。それでも3年間ほどは通いましたが、レッスン料の高さもあり、その後は流行していたオンライン英会話に切り替えました。非ネイティブ講師であれば、毎日25分のレッスンでも月5千円程度で済みますし(当時)、時間や内容を自由に選べます。私は早朝のレッスンを中心に受講していました。アウトプットを増やしたことで、数年はかなり上達を実感できました。しかし、やはり徐々に飽きが来て、受講回数も減っていきました。

そんな時に知ったのが、AIの対話チャット機能です。最初の瞬間から、すっかりハマってしまいました。まるでネイティブと話しているかのような自然なやり取りができ、声質や会話の題材まで自由に選べます。オンライン英会話は即日解約しました。ChatGPTは無料版だと時間制限があったため、月額3千円ほどの有料版へ変更しました。そうなると次はグッズが欲しくなり、Amazonでワイヤレスヘッドセットを購入。週末のウォーキングや徒歩通勤の間も、AIとの会話を楽しんでいます。ただ、英会話の常として無意識に手振り身振りが入ってしまいます。白山駅から通学する高校生たちとすれ違うたびに、怪訝そうな目を向けられています。

とはいえ、AIとの対話チャットを始めて1年半ほどが経ち、例によって少しずつ飽きてきました。自分のペースでできてしまうため適度な負荷がかからず、会話の内容も次第にマンネリ化していきます。未だにNetflixの洋画を字幕なしで聞き取れないことは言うまでもありません。

次は何に飛びつくべきなのか ─ 現在模索中です。もし面白いお勧めコンテンツがありましたら、ぜひ教えてください。

(令和8年7月号)

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