新潟市民病院 医療技術部 内科
古川 浩一
はじめに
新潟市医師会では、胃がんの早期発見と治療を目的とした内視鏡検診事業を推進しています。この取り組みの一環として、2024年3月4日に胃内視鏡検診研修会を開催しました。本研修会での主題である「胃がん内視鏡検診のIoTとしての電送と人工知能」について、詳細をお伝えします。
IoTとはインターネットとモノ
IoT(Internet of Things)は、センサーや通信機能を備えた様々なデバイスがインターネットを通じて相互に連携し、情報を交換・活用する技術です。この技術は健康・医療分野での応用が進み、例えばウェアラブルデバイスを通じて健康状態をリアルタイムでモニタリングし、病気の早期発見や予防に役立てることが可能です。消化器内視鏡では内視鏡画像がデジタルデータとして双方向に活用されることが想定されていますが、何かと何かを結びつけることで新しいものが生まれる無数の可能性があり、広範囲の革新的な進歩も期待されます。
内視鏡検診とダブルチェックシステム
新潟市での胃がん内視鏡検診において、IoTを活用した具体例の一つが画像電送を利用した二次読影(ダブルチェック)です。このシステムでは、内視鏡画像がデジタルデータとして専門家により再検討され、精度の高い診断を実現しています。新潟市医師会では、内視鏡画像の電送に関する取り組みが長い歴史を持ち、使用されてきたソフトウェアは世代を重ねるごとに改善されてきました。この経験は、最新の「Q.C.Enhance」システムの開発に活かされています。検診側、受診者側とも紙ベースの非電送を選択した場合に何らかの不利益や差異が発生しないように規約に沿った調整がはかられています。
ダブルチェックについては検診精度管理の観点からも必須とされ、対策型検診のための胃内視鏡検診マニュアルに明記されています。2015年度版には以下の記述のように必須の仕組みとして規定されています。
「胃内視鏡検診運営委員会(仮称)は、胃内視鏡検診を担当する検査医の基本条件を提示し、検査医の認定を行う。検査医としての認定条件は、後述記載を参照する。また、胃内視鏡検診運営委員会(仮称)は、ダブルチェックを担当する読影委員会を管理し、本マニュアルを参考にダブルチェックや画像点検の方法を決定し、専門医あるいは同等の技量を有する医師から構成される読影委員会のメンバーを選任する。さらに、胃内視鏡検診に必要な知識を取得し、スキルアップを図るために、検査医並びに胃内視鏡検診を導入する医療機関に勤務するメディカルスタッフ(看護師、臨床検査技師など)の研修会を定期的に開催する。医師、メディカルスタッフを対象とした研修カリキュラムは、後述記載を参照する。」1)
しかしながら、検診の基幹となるダブルチェックはかねてより運用上の課題が多いことが指摘されています。多くの自治体でダブルチェック医の確保や負担軽減、物理的な移動距離による効率の低下、医療情報移送における情報の安全確保など、普及をはかる上で障壁となる問題点があげられています。
奈良県では2017年度から内視鏡検診を導入し、その実施状況に関して調査を行いました。2018年度の時点で、県内の80%の市町村が内視鏡検診を実施しており、しかし、そのうち45%は自身の自治体内に検診施設を持たず、他の市町村の施設に検診を委託していました。2017年度内視鏡検診の受診者数は胃X線検診の7%に過ぎず、内視鏡検診導入に支障となった点についてのアンケート調査で、4割の自治体が「ダブルチェック体制」、6割の自治体が「検診機関が少ない」と回答し、検診機関がない自治体の6割が「検診機関が地理的に遠い」と回答しています。2018年度の調査では2割の検診機関が複数の市町村を担当し、2つの公立病院は9市町村を担当していました。地域格差の解消としてはダブルチェック体制や地理的条件解消などが必要とされています2)。
検診機関を含め医療資源が充実し、検診医、専門医が充足している首都圏などとは異なり、政令指定都市といえども新潟市には同様の課題が存在します。一方、これら諸問題を一気に解消する糸口としてIoTの積極活用が期待されています。持続可能な検診制度の維持管理のためにも将来をみすえた画像電送システムの進化に沿った対応を引き続き考えていく必要があります。
新潟市医師会導入の対策型内視鏡検診ダブルチェック電送システム
次に、具体的に新潟市医師会で導入されている現行の対策型内視鏡検診ダブルチェック電送システムQ.C.Enhanceについてご紹介します。
① VPN接続手順:情報セキュリティの観点から独自のVPN回線を使用します。VPN(Virtual Private Network)は、本来は公衆網であるインターネットにまたがって、プライベートネットワークを拡張する技術、およびそのネットワークのことです。仮想の専用回線網を構築することから機能的、セキュリティ的、管理上のポリシーの恩恵などが、管理者や利用者に対し実現されることを特徴としています。二次読影者は個々のPC端末よりVPN接続でQ.C.EnhanceNetに接続し、二次読影者を選択しログインします(図1a)。
② 二次読影リストが表示され、状態が受信済みとなった読影依頼データを開き、二次読影を開始します。その際、実施医の記録を確認し、登録時は読影医のタグを選択して記入します(図1b)。
③ 画像閲覧:診断、判定を行い登録し、症例一件が終了となります。
新潟市胃がん内視鏡検診での電送システムの実績
新潟市医師会での現行電送システム使用の実績について評価します(表1)。
直近の検診受診者における電送システム利用者の集計で、2019年~2020年は10.5%(2013年~2018年の集計では6.18%)と利用率増加が認められました。
内訳として早期胃がん比率は従来通り、電送システム利用者が非利用者を上回る発見率でした(カイ2乗検定でともに、p>0.05 提示せず)。一方、コロナ流行拡大以前の2013年~2018年の集計では、カイ2乗検定で電送システム利用検診者で胃がん発見例数が下がる結果でした。しかしながら、発見された胃がんの詳細は、むしろ電送システム利用検診者で早期胃がん比率が高く、精度管理上は電送システムでの検出不良というよりは、それぞれの施設や地域の検診対象者の母集団(年齢や男女比など)による相違が影響した可能性が考えられました。
画像共有システムの要件と進歩について
新潟市における現行の胃がん電送検診体制では、電送システムを利用しない検診者と比較して不利益が生じないよう、診断区分や対応が紙ベースの診断票と同様にカスタマイズされています。Q.C.Enhanceシステムはオリンパス社との共同開発を経て、エクシオン株式会社に移管されました。初期の5年契約が令和5年に終了した後、令和6年度以降は1年ごとの更新契約が続けられる予定です。ただし、システムのOSやツールのバージョンアップは未定であり、新潟市と杉並区を含む全国の採用自治体の数は減少傾向にあります。それにもかかわらず、IoT技術の発展により、検診プロセスだけでなく日常臨床にも適用可能な多様なクラウドサービスが提案されており、目的に合ったシステムを選択し構築することがより容易になっています。
次世代の胃がん検診を見据えた画像共有システムの要件について考察します。現在の内視鏡検診で用いられる画像共有の技術は主に次の2つの方法に大別されます。
① オンプレミスサーバー:オンプレミス(on-premises)は、サーバー機器などのハードウェアおよび業務用アプリケーションなどのソフトウェアを、使用者の管理する施設内に設置して運用する形態を指します。特徴としてはユーザーがサーバー用のハードウェアやソフトウェアを保有・管理する。初期費用が高額で、運用・保守管理の手間がかかる。独自のシステムを構築・連携しやすいなどがあげられます。
② クラウドサーバー: クラウドは、外部から提供された環境でサービスを利用する形態です。インターネット経由で別のコンピューター上にあるアプリケーションやデータを利用できます。特徴としてはユーザーが機器やサーバー用のソフトウェアを購入する必要がない。初期費用を抑えて導入できる。クラウドサービスを利用するための月額や年額の利用料金が発生。
現行の新潟市のQ.C.Enhanceはクラウドサーバーを用いますが、システム全体としては①に近いといえます。次に②の完全なクラウドシステムを採用し、ダブルチェック体制を構築した三豊市・観音寺市の例を提示いたします。
香川県では、オンプレミスサーバーを活用した独自ネットワークサービスが医療機関間で広く使われています。一方、三豊市と観音寺市では、可搬型媒体によるデータ共有のリスクや手間、予算の制約、およびコストパフォーマンスの観点から、クラウドベースのシステムへの移行が検討されています。要件として(i)初期費用の大幅カット、(ii)クラウド上のデータ共有による二次読影の効率化、(iii)将来的なペーパーレス化、(iv)ソフトウェアシステムの発展可能性を条件とし導入検討を行いました。
全国的にも②のスタイルの次世代の内視鏡胃がん検診領域のIoT導入が急速に進行しています。次世代の胃がん検診のための画像共有システム要件については、地域の事情に沿ってオンプレミスサーバーとクラウドサーバーの比較を行い、技術的進歩を踏まえて、これらのシステムがどのように進化するかを検討しています。次世代システムでは、効率性、セキュリティ、コストパフォーマンス、そしてAIとの統合など、さまざまな要素が考慮される必要があります。
新潟市の胃がん内視鏡検診においても次世代の関連機能として過去画像参照などの機能も持ち合わせた画像管理に加え、AIによる撮影網羅性チェックや疑い領域の拾い上げや良悪の診断などの拡張性や親和性の高いシステムの準備が望ましいと思います。将来的には、胃がん検診だけでなく、肺がん検診に使用される胸部X線画像や、膵臓がん検診に用いる腹部エコー画像など、他のがん検診とのデータ統合も検討されるべきです。これにより、より包括的で効率的ながん検診システムの実現が可能になるでしょう。新潟市医師会による内視鏡検診事業の進化は、技術の進歩と社会のニーズに応じて形を変えてきました。IoTの活用、データの電送、そしてAIの統合は、内視鏡検診の精度と効率を高め、早期発見と治療の可能性を広げることに寄与しています。今後も、これらの技術をさらに発展させ、より良い検診システムを目指していくことが重要です。
医療とAI
仙台市では、対がん協会の主導の下、対策型検診事業における先進的な取り組みが継続されています。宮城県医師会の常任理事である藤田直孝氏は、対策型検診における課題解決にAIを効果的な支援ツールとして活用できるとする意見を寄稿しています3)。具体的に、AIは検査中にリアルタイムで注意すべき箇所を指摘し、見落としを防ぐ助けとなります。これは一般診療にも応用できる技術であり、全胃粘膜が観察されたかどうかをチェックする機能など、検診プロセスにおいても有用です。さらに、ダブルチェック体制の課題に対しても消化器内視鏡学会の専門医や指導医が関与していますが、適任の内視鏡医を確保することが困難であると予想されています。このため、クラウド技術を活用した成熟した検診体制と、AIによる診断支援への期待が高まっています。
今後、臨床でのAI支援ツールの利用は急速に拡大すると見込まれています。特に、デジタル化された画像はAI診断との親和性が高く、FDA承認やCEマークを取得した放射線医学および超音波医学のAI画像診断プログラムが2023年8月時点で合計202種類に上ることが報告されています。
本邦でもCADe (computer-aided detection:画像上で病変の疑いのある部位を自動検出し、その位置をマーキングする機能を有する単体ソフトまたは当該ソフトが組み込まれた装置)やCADx(computer-aided diagnosis:病変の疑いの部位の検出に加え、病変候補に関する良悪鑑別、疾病進行度の定量的なデータを数値やグラフ等にて出力する機能を有する単体ソフトまたは当該ソフトが組み込まれた装置)ともに審査基準が整備され、AI技術を利用したプログラム医療機器は次々と上梓され今後も増加すると予想されます4)(表2)。
胃がん内視鏡検診とAI
胃がんの内視鏡検査の成績向上に向けて、多くの評価と改善が行われています。特に、経口内視鏡と経鼻内視鏡による見落とし率の違いは、デバイスの改良により差がなくなってきています5)。また、NBI拡大を併用することなども提唱されています6)。人的要因の改善としては網羅的な観察が当然見落としを少なくする可能性があり、AIアシストによる解剖学的部位の判定を行い確実な網羅的な観察が有効と示唆されています7)。
存在診断に関しては、“We can only diagnose what we know”「知らないものは診断できない」という言葉が示すように、観察されているが病変として認識されないケースがあります。これは胃がんの多数観察が診断能力向上に重要であることを示唆しています。実際、胃がん内視鏡のカンファレンス導入の効果を早期胃がんの発見率でみた報告では、カンファレンス導入による発見率がレジデントでは0.96%→2.0%、スタッフでは0.38%→0.4%といずれも改善が認められたとの報告があります。その他、質的診断で病変として認識されたが鑑別が異なっていたことによる偽陰性など人的診断の検証は様々な角度からなされています。
上部消化管内視鏡画像のAIによる存在診断では、良性病変追加学習でかねてよりAI開発の課題であった偽陽性、特異度、陽性的中率、陰性的中率改善への道筋が示され実用に足る診断能が得られました8)。質的診断も、病変として認識されたが鑑別が異なっていた症例の胃がん診断としての拾い上げが改善したとの報告は数多くなされるに至りました。
胃がん内視鏡検診におけるAI活用の一つとして、知識や経験を有する冷静で集中力の途切れない疲れを知らない有能な秘書や助手あるいは執事を配して検査を行う活用法や、クラウド上の膨大な検診画像を効率よく選択して二次読影者に提供し、ダブルチェックの負担軽減ばかりでなく診断精度の向上と安定した精度管理に利用する場合などが想定されます。
新潟市胃がん内視鏡検診とAI
新潟市医師会では胃がん内視鏡検診に関する取り組みが行われています。特に、AIメディカルサービス(AIM)と協力し、胃がん内視鏡検診画像におけるAIの検出感度と、ダブルチェックとの相乗効果を評価しています。国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によるGastroAI-modelG(開発名Tango)と同等のAIMのNEDOモデルを使用して、多種多様な検診画像に対するAIの検出能力を検証しました。
感度の算出はいずれの症例の検査画像にもがん画像が含まれると仮定した場合の感度上乗せを評価項目としています。また、がんが指摘された検査より遡って、がん陰性判定例時の検査画像でのAIによる陽性拾い上げについても検討しました。対策型検診の様な陽性頻度の低い母集団での感度向上が期待できるものと考えられ、電送システムとの相乗効果が期待されます。
NEDOモデルでは病変対象が認識されている段階のESD治療時またはESD前精査時画像(検査回数は74回分)でのがん検出感度は85.9%。がん発見時の検診画像(検査回数34回分)では61.8%。さらに以前に遡り、ダブルチェックでがん診断に至らなかった検診画像(検査回数25回分)では58.8%(17件)に新たにがん診断がなされ、AIによるがん診断の上乗せ効果が確認されました。
内訳は何らかの指摘(腺腫、良性ポリープ、びらんなど)があるものの、がん診断に至らなかった16例中12例(75%)をAIはがん診断と指摘していました。またNEDOモデルではがんなしとした9例において1例(11.1%)をがんと診断していました。
胃がん内視鏡検診の進化
IoTやAIは、胃がん内視鏡検診の未来を具体的に示唆するイノベーションとして台頭しています。今後、承認されるAIは検診の様な陽性頻度が低い母集団における偽陽性の増加、特異度の低下、陽性的中率の低下、陰性的中率の低下など危惧された問題はほぼ解決していると思われます。単純な比較では胃がん診断において感度においては(平均的な)内視鏡専門医すら凌駕するとの報告もなされています(図2)。疲れを知らず、働き方改革も関係しないAIは内視鏡領域にも続々と参入してきます(表3)。検診システムと内視鏡画像は極めてIoT、AIと親和性が高く、急速にIoTとAIありきでグランドデザインされてくるものと予想されます(図3)。AIによって仕事が奪われるのではなく、AIを上手に活用することが胃がん内視鏡検診の進化には重要であると考えられます。
〈胃がん内視鏡検診、画像電送診関連〉
①日本消化器病・日本消化器内視鏡甲信越合同地方会 合同ワークショップ
古川浩一 成澤林太郎 藤田一隆
令和元年11月3日
②第59回消化器がん検診学会総会 ワークショップ
古川浩一 成澤林太郎 藤田一隆
令和元年10月1日
③第97回日本消化器内視鏡学会 パネルディスカッション
古川浩一 成澤林太郎 藤田一隆
令和元年5月31日
④第57回日本消化器がん検診学会総会 特別シンポジウム
古川浩一 成澤林太郎 藤田一隆
平成30年6月8日
〈検診内視鏡画像、人工知能関連〉
⑤第60回日本消化器がん検診学会 総会特別企画
古川浩一 多田智裕 平澤俊明
令和3年6月6日
⑥103回日本消化器内視鏡学会 シンポジウム
古川浩一 多田智裕 平澤俊明
令和2年5月15日
⑦世界内視鏡学会ENDO2022
Koichi Furukawa, Tomohiro Tada,Tosiaki Hirasawa
令和4年5月13日
〈胃癌、人工知能関連〉
⑧日本消化器関連学会週間JDDW 国際ワークショップ
Koichi Furukawa et al.
令和元年11月22日
The Best Present Award in International Session受賞
⑨第91回日本胃癌学会総会 ワークショップ
古川浩一 他
令和元年6月1日
⑩第15回日本消化管学会総会学術集会 コアシンポジウム
古川浩一 他
平成31年2月1日
⑪第25回欧州消化器病週間
Koichi Furukawa et al.
平成28年10月28日
⑫第96回日本胃癌学会総会 シンポジウム
古川浩一 田覚健一 桑原史郎
令和6年2月29日
⑬JDDW2024 統一ワークショップ
古川浩一 桑原史郎 他
令和6年10月2日
〈研究助成〉
令和4年度新潟市医師会地域医療研究助成
「人工知能診断の新潟市胃がん内視鏡検診への導入による効果と課題についての探索的研究」
〈内視鏡AI関連共同研究・参画機器開発〉
オリンパス、AIメディカル、NEC、京セラ・コミュニケーション、ソニー・ビズネットワークス・AIソリューションズなど
上記関連報告の一部または全部は新潟市医師会地域医療研究助成「GC03620221」の支援を受けております。新潟市医師会会員の皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。
文献
1)対策型検診のための胃内視鏡検診マニュアル作成委員会編集.対策型検診のための胃内視鏡検診マニュアル 2015年度版,一般社団法人 日本消化器がん検診学会,江南堂,東京,P.29,2019
2)赤羽たけみ、山尾純一、吉治仁志:奈良県における対策型胃がん内視鏡検診実施体制の課題,日本消化器内視鏡学会雑誌,62:204-209,2020
3)藤田直孝:対策型検診としての胃がん内視鏡検診,宮医報,879,2019
4)厚労省 2019:次世代医療機器評価指標の公表について 薬生審発0523第2号
5)Toyoizumi H, Kaise M, Arakawa H, et al.: Ultrathin endoscopy versus high-resolution endoscopy for diagnosing superficial gastric neoplasia, GIE Aug;70(2):240-5, 2009. Doi: 10.1016/j.gie.2008.10.064. Epub 2009 Apr 21.
6)Kato M, Kaise M, Yonezawa J, et al.: Magnifying endoscopy with narrow-band imaging achieves surerior accuracy in the differential diagnosis of superficial gastric lesions identified with white-light endoscopy: a prospective study GIE 2010 Sep;72(3):523-9, Doi: 10.1016/j.gie.2010.04.041. Epub 2010 Jul 3.
7)Takiyama H, Ozawa T, Ishihaa S et al.: Automatic anatomical classification of esophagogastroduodenoscopy image s using deep convolutional neural networks. SciRep. Mar-Apr;32(2):365-371, 2018. Doi: 10.21873/invivo.11247.
8)Namikawa K , Hirasawa T, Nakano K, et al.: Artificial intelligence-based diagnostic system classifaying gastric cancers and newly developed systems. Endoscopy Dec; 52(12):1077-1083, 2020. Doi: 10.1055/a-1194-8771. Epub 2020 Jun 8.
9)Ikenoyama Y, Hirasawa T, Ishioka M, et al.: Detecting early gastric cancer: Comparison between the diagnostic ability of convolutional neural networks and endoscopists. Dig Endosc. Jan; 33(1):141-150, 2021. Doi: 10.1111/den. 13688. Epub 2020 Jun 2.
図1a Q.C.EnhanceNetに接続画面:二次読影者を選択しログインし、画像がダウンロードされ二次読影が開始されます。
図1b 二次読影の登録画面:二次読影を終了し、各種コメントを読影医のプルダウンメニューより選択し、登録します。
表1 新潟市胃がん内視鏡検診 電送例の精度管理実績
表2 FDAによる承認またはCEマークを取得している放射線医学・超音波医学分野におけるAIを利用した画像診断用プログラムの状況(2023年8月現在)総計202種類
図2 検診画像による時系列でのAI診断。AI併用により胃がん診断以前に遡って診断可能。(%:AIの感度)
表3 本邦で使用可能な内視鏡画像用AI一覧
図3 AI、専門医、全内視鏡施行医、非専門医それぞれのテスト画像による胃癌診断のRUC曲線9)より改変。
図4 第73回日本消化器病甲信越支部例会、第95回日本消化器内視鏡支部例会合同例会にて右より内視鏡学会甲信越支部長小林正明新潟県立がんセンター副院長、合同例会会長本間照済生会新潟院長、AIM多田智裕CEO*、がん研有明病院上部消化管内科平澤俊明胃担当部長*、筆者*(*新潟市医師会地域医療研究対象)
(令和6年10月号)