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新潟市医師会報より

新潟市医師会

診断未確定関節炎に対する新潟発地域連携ネットワーク構築の試み

新潟大学医歯学総合病院 整形外科 病院准教授
近藤 直樹

【背景】

診断未確定リウマチ性疾患(Undiagnosed Rheumatic Diseases;URD)は一般的な臨床検査と身体診察では確定診断に至らない関節炎である1)。関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis;RA)に代表される複数の疾患から構成され、速やかに診断されない場合も多く、診断や治療の遅れが後の関節機能や生命予後に重大な影響を及ぼす事が知られている。

臨床の現場では、患者の遅れ(Patient delay, 症状発現からかかりつけ医受診までの遅れ)、かかりつけ医の遅れ(General Practitioner delay,かかりつけ医からリウマチ医受診までの遅れ)、リウマチ医の遅れ(Rheumatologist delay,抗リウマチ薬投与開始までの遅れ)の3つの遅れが問題とされている2)。

発症から12週間以内にリウマチ専門医を受診した患者は臨床的寛解率が有意に高いことが示されており、発症から12週間以内にリウマチ専門医を受診することの重要性を示している3)。さらに、治療の遅れを改善するために、早期紹介システムの確立が推奨されている2)。

各々の遅れを緩和あるいは解消するために、診断未確定関節炎に対する教育啓発プログラムの構築と実践、および同疾患に関する地域医療連携システムの構築と実践が急務である。本研究は、新潟県発の地域連携ネットワークシステムのホームページを立ち上げ、周知すること、その中に記載されている早期RA診断のための“自己チェックリスト”を適切に運用すること、自己チェックリストの結果を分析すること、スクリーニングにおける本チェックリストの有用性を統計学的に分析することで“患者の遅れ”の解消、診断未確定関節炎における意識を向上させ、リウマチ医に簡便に相談できる応答フォームを本ホームページにて運用することで、“かかりつけ医の遅れ”の解消を目的としている(図2)。その結果、新潟モデルの研究を元に全国での健康寿命の延伸につなげることを最終目標としている(図3)。

【目的】

この研究の目的は以下の3つである。

1)診断未確定リウマチ性疾患に対する教育・啓発プログラムの構築と実施

2)診断未確定リウマチ性疾患に対する地域医療連携システムの構築と実施

3)診断未確定リウマチ性疾患に対する医師の診察を受けるための“関節炎早期発見チェックリスト”の有効性の評価

【方法】

2023年9月1日に、地域連携ネットワークシステム医工連携事業として診断未確定リウマチ性疾患に対する新潟発地域連携ネットワークCollaboration Network in Niigata for Undiagnosed Rheumatic Diseases(CoNN-URD)を作成し、立ち上げた。

これを広く周知、啓発するための講演を行った。

さらに、現在当施設整形外科リウマチ外来に通院している関節リウマチ100例にチェックリストを記載し、集計した。

【結果(活動の実際)】

2023年9月1日に、CoNN-URDのホームページを立ち上げた4)。(1)患者のための疾患啓発サイト、自己チェック項目と、かかりつけ医(医療機関)リスト、(2)かかりつけ医のためのリウマチ専門医への質問サイト、の二つの部分からなる。

2023年9月15日に新潟日報に広告を掲載した。

筆頭著者は、2024年2月2日(第4回新潟リウマチを診る会;特別講演)にCoNN-URDについて整形外科医とリウマチ専門医に講演し、このネットワークの内容紹介と認知を広めた。

2024年4月から2025年1月まで、新潟県医師会、新潟リウマチ友の会、新潟県臨床整形外科医会、新潟大学整形外科同門会とともに、CoNN-URDウェブサイトの発足と認知拡大活動を行った(2024年8月27日;関節リウマチ診療Up to Date、2024年10月25日;関節リウマチWeb Seminar、2024年11月15日;群馬リウマチセミナー、2025年1月28日;新潟市医師会地域医療研究助成発表会)。

関節炎基本チェックリストは、A)30分以上持続する朝のこわばり、B)11項目すなわち1)パジャマのボタンがかけにくい、2)ドアノブがまわしにくい、3)家のカギをあけにくい、4)靴ひもやリボンが結びにくい、5)歯ブラシを持ちにくい、6)はさみを使いにくい、7)コーヒーの蓋が開けにくい、8)ホッチキスが使いにくい、9)テレビのリモコンのボタンが押しにくい、10)箸が使いにくい、11)朝食を料理するときの不快感、である。A)およびB)の2項目以上を満たすとき、患者はかかりつけ医に即相談してもらう自己チェックリストの利用を呼び掛けた。チェックリストの予備的評価のために、新潟大学医歯学総合病院整形外科に定期通院している患者100名を対象としてチェックリストを記載してもらい、集計した。4)靴ひもやリボンが結びにくい、と7)コーヒーの蓋が開けにくい、が最も多い該当項目であることが判明した(図4)。

この取り組みは資材として作成され配布された(Confronting RA No.5 Next Stage;基幹病院から見た地域連携)(2024年9月発行)。

〈紹介後の診療の実際〉患者の現病歴、既往歴、理学的所見、患者立脚型評価や日常生活動作評価表(Health assessment questionnaire)、血液検査(関節リウマチに特有の自己抗体検査であるリウマトイド因子、抗環状シトルリン化ペプチド抗体、抗核抗体、血清マトリックスメタロプロテイナーゼ-3含む炎症項目を網羅)、関節超音波検査、単純エックス線検査、必要時は関節MRI検査やCT検査を駆使して、新潟大学医歯学総合病院の日本リウマチ学会認定のリウマチ指導医、専門医、登録ソノグラファー(超音波関節撮像法に習熟した医師)が診療にあたり、診断を確定する。その後日本リウマチ学会診療ガイドライン2024に照らし合わせてPhase1から3までの流れで治療を行い(リウマチ医の治療介入)、3-6か月ごとに病勢を評価し制御していく。

紹介元の医師には、初回受診報告書、中間報告書(紹介後6か月で発行)、そして最終報告書(紹介後1年で発行)を逐次返送し、紹介された症例のfeedbackを漏れなく行っている。

【今後の課題】

研究計画に掲げた市民公開講座を開催できなかったため、今後は確実に行う。その際に参加者にアンケートを行い、市民公開講座に関する感想を聞くとともに、市民公開講座によって診断未確定リウマチ性疾患について認知や理解がどの程度深まったか、を記載してもらう。アンケートは集計し、評価する(市民公開講座は2025年9月28日に開催)。

上記の自己チェックの結果は、定期的に通院している患者100症例の結果であるため、正確な診断未確定リウマチ性疾患を対象とすることには至っていない。今後当該施設の新患での患者に対してこの関節炎チェックリストを積極的に採取し、正確な評価をおこなう方針である。

また、本ホームページを生成AIにより質の向上を図る。こちらについては、BeyondUS代表の石野公基(いしのこうき)氏と連携協力していく。

【引用文献】

1)診断未確定リウマチ性疾患の病診連携モデル構築プログラム募集 | 一般社団法人 日本リウマチ学会(JCR)

2)van der Linden MPM, et al. A prediction rule for the development of arthritis in patients with undifferentiated arthritis: a prospective cohort study. Arthritis Rheumatol 62; 3537-3546, 2010.

3)Nell VP, et al. Benefit of very early referral and very early therapy with disease-modifying anti-rheumatic drugs in patients with early rheumatoid arthritis. Rheumatology(Oxford) 43:906-914, 2004.

4)診断未確定関節炎に対する新潟発地域連携システム(https://www.conn-urd.jp/)

【謝辞】

本研究は令和6年度 新潟市医師会地域医療研究助成GC04720241を獲得しました。

また共同研究者の黒田毅先生、小林大介先生、角谷梨花先生、(株)スペック、深谷清之先生、に御礼申し上げます。

図1 広告とロゴマーク(右)。茶豆を新潟県になぞらえたロゴマークである。
二次元コードから、CoNN-URDのトップページに直接アクセス可能である。

図2 本プロジェクトの全体概念図

図3 本プロジェクトにおける3つの遅れとその解消のための方策

図4 関節炎自己チェックシートの各項目と陽性数 項目Bの4と7が最も多かった。

(令和8年3月号)
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