笹川 基
紅葉の季節を迎えました。山々を真っ赤に染めた楓の木々も、葉を落とし始めているでしょうか。
今年は自然災害の多い年でした。
正月が明けて間もなく、北陸地方は大雪に見舞われました。新潟市内でも80cmを超える積雪があり、8年ぶりの大雪となりました。車庫から車が出せず、苦労して病院に辿り着いたことを思い出します。
6月18日には震度6の大阪北部地震が起きました。高槻市では小学校プールサイドの塀が倒れ、幼い小学生が命を落とす痛ましい事故が起きました。9月6日、北海道胆振地方を震度7の大地震が襲いました。震度7の地震でどれほど揺れるのか、新潟地震を経験した私でも想像がつきません。火力発電所の停止に端を発した大規模停電が起き、北海道全域がブラックアウトに陥りました。医療機関でも、大変なご苦労をされたこととお察しいたします。
6月下旬から7月上旬にかけて、停滞した梅雨前線の影響で、西日本地方を豪雨が襲いました。九州、四国、広島県を中心とした中国地方に被害が広がり、死者数は200人を超えました。
あつい暑い夏でした。最高気温40℃超えにも驚かなくなり、寝苦しい日々が続きました。7月23日熊谷市の最高気温41.1℃は、日本歴代最高気温となりました。暑いまちとして有名な館林市の観測所が今年6月に移設されました。熊谷市での最高気温“樹立”に、館林市民は残念な思いをされたことと思います。
自然災害の中で、一番マスメディアに取り上げられたのは、次々と日本列島に接近・上陸した台風でしょう。今年の台風上陸数は5であり、特別多いわけではありません。しかし、今年襲ってきた台風は中心気圧が低く、大きく強いものが多かったと思います。
印象的だったのは、7月下旬紀伊半島に上陸した逆走台風12号です。上陸後西へと進み、屋久島付近で1回転しました。こんな進路をとった台風は記憶にありません。太平洋高気圧が強く、偏西風が弱かったために迷走したようです。
8月には、統計史上2番目に多い9個の台風が発生しました。週末になると、台風の心配をしなければなりませんでした。
9月上旬、近畿地方を横断した台風21号により発生した高潮で、関西国際空港では滑走路が冠水しました。また、空港沖に停泊していたタンカーが漂流し、連絡橋に激突、橋桁が損傷しました。船首を風上に向け錨を下ろし、スクリューを駆動していましたが、最大瞬間風速58.1mの暴風により走錨が起こり、全速運転で事故回避に努めたようですが、橋脚へと流されたようです。
台風は、新潟県に近づく頃には疲れ切っており、温帯低気圧寸前です。農作物に多少の被害はあったようですが、甚大な被害報告はなかったようです。感謝しなければならない、つくづく感じます。
(平成30年11月号)