永井 明彦
コロナ、コロナで明け暮れ、いつにも増してせわしない師走ですが、会員の皆様には如何お過ごしでしょうか。新潟市医師会報2020年12月号をお届けします。
まず、「巻頭言」を新潟南病院長の渡部裕先生からいただきました。地域医療に密着した病院の心意気が感じられます。南病院は医師会の「新型コロナ相談外来」に協力してドライブスルーPCR検査方式をいち早く採用し、新潟市の検査体制をリードされました。
次に、学術欄では新潟万代病院リハビリテーション科の本間大介先生からフレイルの身体機能とバランス機能の特性に関する研究を報告いただきました。最近は医師会の地域医療研究助成を受けた業績が紙面で発表されるようになり、研究結果や課題がフィードバックされ、意義深いものとなっています。「病気と健康のあれこれ」はアトピー性皮膚炎の治療についての山本洋子先生の解りやすい解説、参考になります。
「私の憩いのひととき」の勝井丈美先生、そして大滝一先生、山崎芳彦先生からご自身の趣味のフィールドの興味深い随想を寄稿いただき、大野吉昭先生の秋季ゴルフ大会優勝記はゴルフHDCPの解説付きです。「わたしの好きな店」では、大川彰先生から中央区のそば処を紹介いただきました。医師会には蕎麦好きの会員が多いのに今更ながら感心します。
そして「マイライブラリィ」では蒲原宏先生の大著『畑打って徘徊国を拓くべし─佐藤念腹評伝─』を櫻井浩治先生から紹介いただきました。阿賀野市笹岡出身のブラジル移民俳人、念腹の壮烈な80年の生涯を後世に伝え、新潟縁の多くの俳人も描かれた蒲原先生渾身の一冊だそうです。17回目の「旭町キャンパスめぐり」は新大皮膚科学教室で、熊谷理事の一言は「オンライン資格確認」の解説です。
今年はコロナ禍のもと、NHKの朝ドラから「エール」をもらった一年でもありました。流行語大賞は大方の予想通り「3密」でしたが、新聞各紙にはコロナ関連の秀歌、秀句が数多く載りました。最も印象的だった大阪市のタナカサダユキ氏の作 ─しばらくは離れて暮らす「コ」と「ロ」と「ナ」つぎ逢ふ時は『君』といふ字に─ をご紹介し、来たるべき丑年の皆様のご多幸を祈念し、本年の会報を締めくくりたいと存じます。
(令和2年12月号)