大川 彰
新年を迎えて早々に新潟市は3年ぶりの大雪に見舞われました。暴風が吹き荒れた後に風が静かになり、深々と雪が降り始めて一晩で膝の高さくらいまで積もってしまいました。天気予報が外れないかと期待していましたが、そんなことはなく見事に当たってしまいました。
大変なのは朝の通勤です。普段よりかなり早く起床し、車の屋根や周囲に溜まった雪を取り除いてから出発です。道路は渋滞しておりノロノロ運転でようやく職場に到着し、職場でもまた除雪作業を行います。この時点でかなり精神的にも肉体的にも疲労しており、いっその事休診にしてしまいたい誘惑にかられますが、そういうわけにもいかず何とか気力で1日の仕事をこなします。帰宅時も道路は渋滞しており普段よりかなり時間がかかります。帰宅してからも翌日の朝に備えて自宅周囲の除雪が必要です。最初に大雪が降ってからも2週間ほど断続的に雪が降り、この原稿を書いている1月下旬になってようやく気温も上がって雪解けが進み普段の日常が戻ってきました。
日本国内で、武漢渡航歴のない第一例目のCOVID-19感染者が確認されて1年となります。その後は皆さんご承知のようにこれまでの日常はすっかり変わってしまい、医療を取り巻く環境も激変してしまいました。戸惑いながらも何とかこの変化に対応しなければと日々奮闘されている方が多いと思います。そんな中でいよいよCOVID-19に対するワクチン接種が開始されます。今回使用されるmRNAワクチンは生ワクチンと比べると免疫効果は弱いようです。しかしながら、細胞性免疫と液性免疫両方が活性化されるため、インフルエンザワクチンのように液性免疫のなかでもIgGしか産生誘導できないタイプの不活化ワクチンよりはかなり免疫効果は強そうです。早ければ2月下旬にも医療従事者を対象に接種が開始され、その後は順次高齢者、基礎疾患を有する人、それ以外の人と対象が拡大されます。
大雪後の雪解けのように、ワクチン接種によって少しづつでも感染状況が改善されて以前の日常が戻ってくれれば思います。
(令和3年2月号)