4月にゴルフの松山英樹選手がマスターズで優勝した。メジャーと呼ばれる、ゴルフでもっとも権威のある大会が男子では4つあり、マスターズ・トーナメントはその一つだ。日本男子勢がメジャーを制覇したのは今回が初めてで、1932年に宮本留吉選手が全英オープンに出場してから実に89年を要した。
その興奮が少し落ち着いてきた6月、今度は女子ゴルフのメジャー大会である全米女子オープンで、笹生優花選手が畑岡奈紗選手との日本勢同士のプレーオフを制し優勝した。日本人女子がメジャーに勝ったのは樋口久子さん、渋野日向子選手に次ぐ3人目の快挙である。
少し前の統計になるが世界のゴルフ人口は一位がアメリカ合衆国の2,860万人、二位が日本で950万人、三位はカナダの640万人、そして、英国が第四位で400万人。このトップ四カ国によって世界のゴルフ人口の約3/4が占められているのだそうだ。またゴルフコースの数はというと、アメリカが15,590コースとこれもまた群を抜いているが、二位が英国の2,752コース、三位が日本の2,358コースであった。このように世界的にもゴルフが盛んである日本であるが、少子高齢化や団塊の世代のリタイア・若者の保有自動車の減少等により、日本のゴルフ人口は減少が続いていた。1992年のピークには1400万人以上いたゴルフ人口は年々低下し、2014年には720万人前後とほぼ半減したことになる。
しかしWithコロナの時代になってゴルフは3密を避けやすいスポーツとして見直され、最近は若い世代を中心にゴルフ人口が増えてきているのだそうだ。ある調査では20代~30代ではプレー人口が2倍に増えたと報告されている。松山選手や笹生選手の活躍はこうした動きにより一層拍車をかけるだろう。
ゴルフはよくできたレジャーだとつくづく思う。木々に囲まれた広い芝生のある景色は壮観だ。その中を、カートに乗って移動しても10km以上歩くのでよい運動になる。老若男女、上手い人もそうでない人も一緒になってプレーすることが出来る。スコアを競い合うだけでなく飛距離では負けないとか、グリーン上のパットのうまさは一番だとか、張り合うポイントがたくさんあるのも楽しい。
衰退の一途であったゴルフが再び盛んになるのはゴルフフリークとしてうれしい限りだ。この流れが持続することを願っている。
(伊藤 一寿 記)