前回、私が担当したこの「あとがき」コーナーは、2018年11月号でした。その時の文の書き出しはこうでした。
「2020年東京オリンピック、パラリンピック大会まで、あと2年を切りました。まだ2年あると思っている人、もう2年しかないと思っている人、そんなことどうでもいいと思っている人、様々な思いをのせて近づいて来ます。」
それから3年、こんな世の中になるとは誰も想像できなかったでしょう。2020年夏の東京、町中に五輪の旗がはためき、多くの観客が声援を送っているはずでした。それが1年の延期、しかも無観客(地方都市での開催競技では少人数の有観客試合もありましたが)という未だかつてない事態となってしまいました。
中止の声もあがる中、無観客であっても開催したことは、個人的には良かったと思います。
テレビを通して、日本選手の活躍がみられメダルの数はこれまでの最多となりました。今まで馴染みのなかった競技で日本選手がメダルを獲得したのをみて「けっこう、色々なところでがんばっている」と思えたものでした。
真夏の開催で、観客の体調が懸念されたものの、結局無観客での開催で事なきを得たのは皮肉なことでした。
昨シーズン(2020/21シーズン)のインフルエンザ患者数はそれ以前のシーズンに比べ、正に激減でした。
当院では、検査自体も少なく、陽性者0でシーズンを終了しました。今シーズン(2021/22)の流行予測については、2通りの見方があります。昨シーズンの患者数が少ないことから免疫が得られていない人が多く、今シーズンはかなり流行するという見方がある一方、今年の夏、南半球でのインフルエンザの流行がなく、したがって北半球での流行もないだろうという見方です。
マスク、手洗いの効果でしょうか。その効果が出ているとすれば、今シーズンも流行しないことになりますが。
そういえば、最近、一時のようにうがいの励行がいわれなくなったような気がしますが、そう思いませんか。なぜなんでしょう。
(相馬 博志 記)