2月24日に驚くべきニュースが飛び込んできました。ロシアによるウクライナ侵攻です。元々はロシアとは同胞のような人々が住んでいるウクライナに攻め入るなど狂気の沙汰です。元KGBとして東ドイツのドレスデンに在任していた時にベルリンの壁崩壊を目の当たりにしたプーチンとしては、ロシア(ソ連)が支配していた東ドイツが西ドイツそして西側に加わっていったことを目の前で見ていました。今のウクライナがロシア側の立場から西側のNATO、EUに加わろうとしているのを許せないこと、そしてその流れがロシアに波及してロシア自体がEUになびく流れができてしまうことを阻止しようとしたのでしょうか。
プーチンは力を利用した昔ながらの恐怖政治でロシアを支配してきましたが、初めのころはもっと大きな視野を持ってロシアを牽引していたはず。今回のウクライナ侵攻はあまりに短絡的で身勝手な行動です。ウクライナを自分の言うなりになる国にすべく、軍事侵攻し、核兵器の使用も辞さないとする、昔ながらの軍による侵略と脅し支配を行おうとしています。
それに対し、EUやアメリカなどの諸国は、侵略はしないまでも経済的脅しと排除で対抗しています。侵略と脅しと排除の応酬。これでは事態が良い方向に進むとは思えません。
ロシアの兵士の中にも、同胞との戦闘や侵略を良しとしないものもいるし、ロシアの国民の中にも、脅しと逮捕と閉鎖にもかかわらず、反対の声をクレムリンの赤の広場や各地の広場で上げている人々もいるし、各国に在住しているロシア人も反対の声を上げています。この小さな声を世界中で集めて、大きな声に変えてプーチンにぶつけていくことが必要と考えます。各界の指導者は、プーチン、ロシアを排除するのでなく、呼びかけるべきです。FIFA、UEFA会長やIOC会長はロシアを国際大会から排除するのでなく、戦争を止めて一緒にサッカーをやろうと呼びかけたり、パラリンピックの参加を呼び掛けることが必要と思います。それも、プーチンに対してだけではなくロシア全国民に対して。そして、みんなの声を集め、戦争を終結させるように大きな声のうねりにしていければと思うのです。その先には、恐怖政治を続けてきたプーチン政権の崩壊が待っていると夢想してしまうのです。
日々、ウクライナとロシアを取り巻く状況は変化しています。この会報が発行される頃にはどのような展開になっているのでしょうか。
(細野 浩之 記)