松浦 恵子
わが家には推定樹齢百年以上のタブノキがあります。かなり大きくなる木なので庭木としては相応しくないらしいのですが、子供の頃からそこにあり、一本で森のようになっていました。少なくともここ20年間は剪定されていなかったので、この春に枝切りを予定していました。直前に町内の匿名氏から庭木への苦情が入り(ひとえに落ち葉掃きをさぼりがちだった私の不徳の致すところですが)気分が落ち込んだところに、花がつぼみをつけ若葉が出始めた太い枝がバッサリと切り落とされた姿を目にした私の落胆ぶりをご想像ください。何の罪もない木をみすぼらしい姿にしてしまったことが悲しくてなりませんでした。
ところが伐採から3か月を過ぎた盛夏、ほとんど丸坊主にみえた枝に葉が繁り小さいながら木陰ができるくらいになりました。やはり以前からあり、あまり元気のなかった百日紅が例年になく見事に花をつけてくれたことも重なって、私もすっかり元気になりました。夏の暑さにも、冬の寒さにも耐えて生き続ける樹木には本当に頭が下がる、そんな思いを強くした一年となりました。閑話休題。
医師会報2022年11月号をお届けします。巻頭言は新潟市医師会代議員会議長の新田幸壽先生からいただきました。新型コロナ禍における新潟市医師会の対応と現状を述べられた後で、自粛生活の中でこの時期思い浮かぶ忘年会の自粛は続くのか?と寂しさを表しておられます。ただ、今年は年末恒例の新潟市医師会講演会、総会、懇親会が予定されております。元通りにとはいかないまでも会員が集う機会が取り戻せそうです。
学術欄では、鈴木克典先生から「糖尿病合併高血圧患者の治療におけるARNIへの期待」、岡部隆一先生から「新潟市における頭頚部がん検診のこころみ」の2題を頂戴しております。
地域保健部だよりとして「新潟市乳がん検診2020年度報告」を佐藤信昭先生より、学校保健部だよりとして小川洋平先生より「令和3年度新潟市学校糖尿病検診について」のご報告をいただきました。
定番の「わたしの好きな店」「マイライブラリィ」「私の憩いのひととき」で紹介される、先生方のとっておきも揃っています。
「理事のひとこと」では、阿部行宏先生が「DXってなんだろう?」と、私の疑問そのままを解説してくださいました。
今年も残すところひと月、天候もCOVID-19もインフルエンザも、荒れずに穏やかな年の瀬であることを祈っています。
(令和4年11月号)