大橋 美奈子
新型コロナウイルス感染症の法律上の扱いが5類に変更されてから半年以上が経過し、様々な社会活動がコロナ禍以前の状態に戻ってきました。ご存じのように、新潟は新型コロナウイルス感染症死亡率が全国最低であり、入院外療養での死亡者がゼロという奇跡的な成績をあげています。
この3年半で我々が得た多くのノウハウは、今後も起こりうる新興感染症対策として大変有用な情報となるはずです。この知的財産はコロナ禍における最大のメリットといえるかもしれません。
一方で、個人レベルではどうなのでしょう。あるアンケートをご紹介します。〈3年に及んだコロナ禍は、自分にとってプラスの影響とマイナスの影響のどちらが大きかったでしょうか〉というものです。それはもう当然マイナスだけでしょう、プラスの影響なんて何かありましたっけ?と思われるかもしれませんが、世の中にはプラスの影響が大きかったと答えた人が2割くらい存在するから驚きです。特に、男女とも30から40歳代では3割を超えているのです。
その理由が何なのか気になります。理由として最も多いのは「感染から身を守るための知識が得られた」です。少し拍子抜けしたかもしれませんが、我々にとってごく当たり前のマスク着用や手洗いの方法に関して、4割の人が評価しています。次に「家族と過ごす時間が増えた」が続き、「在宅勤務などを経験し、柔軟な働き方があることを知った」「転職した」「新しい趣味を持てた」「貯金が増えた」もありました。また、年齢が上がるにつれ「人と直接会うことの大切さを実感した」が増えています。
ちょっと衝撃的だったのは「義理で会っていた人と会わずにすんでよかった」という回答です。義理で会う─皆さんが思い当たる節があるとすれば、それはほぼ確実に仕事関係のことでしょう。たとえば、最近徐々に復活してきた忘年会&新年会。参加すると言ってはみたものの、本当は気が重いのではないですか?マジでやるわけ?ってぼやいていませんか?たしかに、気を遣うし面倒くさいし、このまま復活しなくてもいいと思う気持ちはわかります。
そうは言っても実に4年ぶりに集まれるわけですし、もしかしたら人と直接会うことの大切さを改めて実感するかもしれません。寒さが厳しい時期ですが、一歩外に出てみれば新潟の美味しいお酒が待っています。
(令和5年12月号)