永井 明彦
灯火親しむ候、会員の皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。新潟市医師会報2024年11月号をお届けいたします。
今月号の「巻頭言」は厚生連豊栄病院の関慶一院長から頂戴しました。前院長の宮島透先生を引き継ぎ、“やさしい病院づくりで地域医療を支える”という病院のモットーのもと、地域包括システムの中の病院のあるべき立ち位置について熱く語っておられます。
「学術」では、前新潟大学医学部腎・膠原病内科教授の成田一衛先生からCKD(慢性腎臓病)の概念と意義、さらに病診連携におけるCKD診療の必要性について解説いただきました。日常診療に大いに役立てたいものです。
「病気と健康のあれこれ」では、若月俊二先生からテストステロンが激減する男性更年期障害(LOH:加齢性男性性腺機能低下症)につき解りやすく説明いただきましたし、新規に開院された「しんメンタルクリニック」の上馬塲伸始先生の自己紹介も載っています。
「わたしの好きな店」では、浅井忍先生が北区木崎のうどん店を紹介されています。新潟県はうどん後進県だそうですが、多彩で安価なメニューには食欲がそそられますね。「マイライブラリィ」では、コロナ禍で多くの人に読まれたというカミュの小説『ペスト』を、白柏麻子先生が紹介され、コロナ禍を過去形にせず、新たな疫禍に備えて強いメンタルと体力を持つ必要があると強調されています。医師会理事の阿部行宏先生からは、MIDのニーズ調査結果についての報告がありました。
さて今月号では、あとがき子の好きな音楽とゴルフについての記事が多く、嬉しくなりました。まず、音楽については、佐々木壽英先生からグスタフ・マーラーについての渾身の一文が寄せられました。あとがき子も10年前の本誌「月灯虫音」欄に『さすらう若人の歌(わがヰタ・ムジクアリス)』を投稿したことがあり、懐かしく読ませていただきました。「私の憩いのひととき」では、笹川基先生が東京交響楽団新潟定期演奏会の歴史に触れておられます。先生には定演会場のりゅーとぴあコンサートホールでよくお目にかかります。さらに「理事のひとこと」では、ジャズ音楽がお好きな熊谷敬一先生が、音楽の中毒性(脳領域の報酬系への関与)について興味深い考察をされています。そして、五味崇行先生と小形雅子先生のゴルフ大会優勝記は楽しく読ませていただきました。お二人の笑顔がいいですね。
「学校保健部だより」では、新大病院小児科の小川洋平先生が学校糖尿病検診結果を報告されました。患児が長じて糖尿病スティグマに影響されないことを願いたいものです。
11月になって漸く富士山に初冠雪があったとの報に接しながら「あとがき」を締めくくることにいたします。
(令和6年11月号)