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新潟市医師会報より

新潟市医師会

新潟大学大学院医歯学総合研究科 精神医学分野

総括医長 福井 直樹

新潟市医師会の会員の皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。日頃より精神医学教室に格別のご支援をいただき誠にありがとうございます。教室の近況につきましてご報告いたします。

教室

新潟大学医学部精神医学教室は、1914年4月、官立新潟医学専門学校に精神病学講座が設立された時を以て教室の創立としていますので、2014年に創立100周年を迎えました。この間、多くの医師やメディカルスタッフを育成し、新潟県内のみならず全国の精神科医療の発展に貢献してきました。

1998年に染矢俊幸先生が第5代教授として就任され、20年以上にわたり教室の臨床・教育・研究、県内の精神科医療の充実に尽力されてきましたが、現在は、医歯学系長・医学部長としても、医師会や医療機関、行政機関などと連携しながら、新潟大学の臨床、教育、研究の充実のために強いリーダーシップを発揮されております。さらに、日本臨床精神神経薬理学会や日本診断学会の理事長を長年にわたり務められ、日本の精神医学の発展にも大きく貢献されています。

また、染矢教授がプログラムディレクターを務める「日本-ASEAN連携による『こころの発達医学』指導者育成プログラム」が、2018年度に文部科学省の国費外国人留学生優先配置を行う特別プログラムに採択され、インドネシアおよびベトナムからの留学生を当教室などで受け入れています。

最近のトピックスとしては、2019年6月20−22日の3日間、染矢俊幸会長のもと、新潟市朱鷺メッセを会場として第115回日本精神神経学会学術総会が開催されました。運営にあたっては、本学会が精神医学の中心学会として重要な役割を担っていることを重視して、広い領域の諸問題に取り組む各専門家が主体的に参加できるような会のあり方を模索しました。その結果、例年の4倍以上の一般演題が登録されて、朱鷺メッセはどの会場も多くの参加者で溢れ、これまでの学会に見られない人数と熱気で満ちておりました。新潟では3回目の開催でしたが、関係者からは「学会新時代の幕開け」といった多くの高い評価を頂きました。本学会開催にあたっては新潟市医師会の先生方に多大なご協力を賜りました。この場を借りて深く感謝申し上げます。

臨床

児童思春期、統合失調症、うつ病、不安症、もの忘れ、などの専門外来を設置し、正確な診断と適切な治療はもちろんのこと、患者さんが安心して受診できるような環境を目指しています。64の病床を有し、1日100名以上の外来患者さんの診療を行っており、全国の大学病院の中でも有数の規模となっています。精神科医療機関のみならず、あらゆる医療機関と診療科からの紹介を受けています。

診断に関しては、世界的に用いられている精神疾患の診断基準であるDSM-5の翻訳において新潟大学は中心的な役割を果たしており、精神科診断学には特に力を入れています。週に1回のカンファレンスの中で、入院患者さんお一人お一人の診断に関して十分な時間をかけて検討しています。

治療に関しては、治療抵抗性統合失調症に対するクロザピン治療、難治性うつ病に対する修正型電気けいれん療法なども積極的に行っています。当教室は臨床薬理学にも特に力を入れており、適切で合理的な薬物療法を心がけています。また、神経性やせ症、その中でも低体重・低栄養が比較的強い重症例に対して、栄養管理、合併症治療、精神療法などによる専門性の高い医療を提供しています。

社会的にも児童精神医学に対するニーズが非常に高まっていますが、2007年に当教室、小児科学教室、神経生化学教室、神経生理学教室により教室・講座の枠組みを超えて「新潟大学こころの発達医学センター」を設立し、児童精神科医や研究者の育成に取り組んでいます。専門性を身に着けた児童精神科医が、新潟大学と県立精神医療センターで診療にあたっています。

高齢者に対する精神科医療のニーズも増す一方ですが、外来と入院において、詳細な面接、神経心理学的検査、血液検査、頭部MRIや脳血流シンチグラムなどの画像検査を施行し、認知症の基礎疾患の診断を行っています。定期的に脳神経内科と合同カンファレンスを開催し、診断や治療、介入などについて意見を交換しています。

精神疾患を有する妊産婦さん、周産期発症の精神疾患への対応が社会的にも非常に注目されていますが、当教室では産科婦人科学教室と協力し県内の産科医療機関からの紹介を積極的に受けています。また、医師会や行政などと連携し、妊産婦さんがスムースに精神科受診ができる仕組みを早急に構築するべく取り組んでいます。

研究

臨床薬理グループは、「統合失調症の身体リスク」、「性ホルモンと各精神疾患との関連」、「クロザピンの副作用発現メカニズム」、「統合失調症の前駆期における薬物治療効果」、「薬理遺伝研究」などのテーマで研究を進めています。特に、日本臨床精神神経薬理学会と日本精神科病院協会との合同プロジェクトで得た全国規模のデータから日本人統合失調症患者のメタボリックシンドローム有病率や身体リスクに関する重要な知見を得て、多くの成果を報告しています。

分子遺伝グループは、全国の研究機関との共同研究を展開し、統合失調症のリスク遺伝子を同定しつつあります。分子神経生物学グループでは、脳研究所分子神経生物学分野とともに死後脳研究や動物モデル研究に取り組み、サイトカイン機能異常など統合失調症の分子病態の一端を明らかにしてきました。

発達精神医学グループは、こころの発達医学センターの一部門として、自閉スペクトラム症と注意欠如・多動症の生物学的研究および臨床研究を行っています。神経生理学分野と共同して、霊長類を用いた心の理論の脳基盤の解明を目指した研究に取り組んでいます。さらに、分子細胞機能学分野と共同して「神経発達障害におけるシナプス伝達の網羅的解析」を、工学部と共同して「自閉スペクトラム症患者の視線認知・処理の脳磁図(MEG)による解析」を行っています。教育・啓発活動として毎年「発達医学セミナー」を開催し、メディカルスタッフから教育関係、学生など幅広い職種の方々に参加して頂いております。

産婦人科学教室および県内全域の産科医療機関と連携し、周産期メンタルヘルス研究を開始し膨大なデータを収集し解析を進めています。妊産婦さんの不安や抑うつ、妊産婦さんの発達特性などの精神医学的データに加え、産科学的データも幅広く収集し、妊産婦さんの不安や抑うつおよび赤ちゃんとのボンディングに影響を与える因子の同定を目指して、研究を進めています。

リエゾン精神医学や精神科救急、既述した精神疾患以外にも、強迫症、性別違和(性同一性障害)、物質関連障害、睡眠−覚醒障害、パーソナリティ障害など多岐にわたる疾患に対応していますし、子どもから高齢者までの幅広い年齢層が診療の対象となります。さらには、措置診察、鑑定、虐待や自殺予防、いじめの問題、労働者のメンタルヘルスなど、病院の診療を離れて行政や司法、地域などと連携して行う業務も多く、今後ますます精神科医のニーズが高まると考えられます。出来るだけ多くの先生方、学生さんに精神医学や当教室に興味を持って頂けましたら大変光栄であります。

新潟市医師会の会員の皆様におかれましては、引き続き当教室へのご支援、ご指導頂きますようよろしくお願い申し上げます。

新潟大学医学大運動会 悲願の総合優勝!2018年5月19日 於:新潟大学医学部グランド

(令和元年12月号)

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