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新潟市医師会報より

新潟市医師会

新潟大学脳研究所 脳神経内科教室

総括医長 石原 智彦

はじめに

新潟市医師会の先生方には、平素より大変お世話になっております。新潟大学脳研究所 脳神経内科教室は1965年に開設し、2020年で55周年を迎えました。なお当科の従来の名称は「神経内科」でしたが、本年4月より脳研究所分野名が「脳神経内科」に変更になっています。本稿では私たちの教室の活動について報告いたします。

当科は“脳疾患の克服をめざす”脳研究所に属する、臨床系教室である特徴があります。

「臨床力」「教育力」「研究力」の3つを重視し、General Neurologistを育成し、脳神経疾患の克服を目指しています。

臨床力

初代椿先生の時代から、水俣病、SMON(キノホルム中毒)などの社会に深くかかわる疾患の研究、治療を行ってきました。当科は新潟県のみならず、秋田、山形、福島の県外にも関連病院があり、50年超の歴史の中で、広汎な診療ネットワークを築きました。このネットワークは、例えば脳梗塞超急性期に脳神経外科と協力し治療にあたる急性期病院から変性疾患患者さんの長期療養にあたる病院まで、幅広い医療形態を含みます。これにより最善の神経疾患の医療を提供すると共に、神経疾患の解明において、大きな成果を上げてきました。

当科は新潟大学医歯学総合病院で、外来治療および37床の入院病棟を担当しています。当科領域に含まれる疾患は多岐にわたります。脳卒中(脳梗塞・脳出血)、変性疾患(パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、認知症など)、神経免疫疾患(多発性硬化症、重症筋無力症など)、てんかん、脳炎・脳症、髄膜脳炎など幅広い領域を含みます。外来ではcommon symptomである頭痛、めまい、しびれなども治療にあたります。これらの治療に際しては、全人的医療を心がけています。各疾患の急性期の対応を行って終了とすることなく、本人家族の目指す方向の確認、在宅医療体制の構築に向けた援助、当科外来や関連病院、さらには新潟市医師会の先生方のご協力を頂きつつ、フォローが途切れることなく継続されるように心がけています。

さらに新規治療の開発にむけた臨床治験にも積極的に取り組んでいます。複数の国内外の企業あるいは医師主導臨床治験に参加しています。さらには当院臨床研究推進センターとも協力し、神経難病に対する医師主導治験の計画・実施を進めています。治験の実施に際しては厳格な参加基準があり、一診療機関のみでは、基準を満たす患者さんが見つからないこともしばしばあります。そこで当科の診療ネットワークを活かし、該当する患者さんを募ることで、円滑な治験の実施、ひいては治療法の開発を進めています。

教育力

当科の大学附属病院 病棟では、いわゆる屋根瓦方式を導入しています。これは学生、前期研修医、後期研修医、指導医で構成されるチーム制です。屋根瓦のような重層構造をとり、各個人が先輩・上級医を指導者として、後輩には教育指導を行います。さらに、チーフレジデント、病棟長が全体に注意を配り、複数の視点から診察、教育を行っています。この方式により、チーム医療を行いつつ、自分で考える力、他人に伝える力を養成します。またレジデント勉強会(抄読会)を定期的に開催し、先進的知識の取得および論文読解能力の向上に努めています。若手医師は当院、および関連病院で臨床経験をつみ、内科専門医、神経内科専門医の取得を目指しています。当科は新専攻医登録評価システム、J-Oslerにも対応し、専門医の育成に努めています。

新型コロナウイルス感染により、医学生の臨床実習は2020年3月から休止しています。この原稿の締め切り日、6月15日から臨床実習は再開されますが、院内への立ち入りは制限があり、患者さんと直にあって問診、診察をすることができません。この困難な状況下でよりよい実習を行えるように対策を講じています。その一つがZoomなどのWebツールです。医師立ち合いのもとでZoomを通じて実際の診察現場を見学し、学ぶ体制を構築・確保しています。また同じくZoomを用いた若手医師、学生対象の勉強会も実施しています。非常事態下で、当面は試行錯誤となりますが、よりよい医学教育にむけて努力してまいります。

大変ありがたいことに、この数年間は5−10人の後期研修医の入局があります。当院・関連病院での実習、大学院での研究を経て、脳神経内科として各地域での臨床、ならびに大学院生、大学職員として脳神経疾患解明のための研究を行っています。これからもGeneral Neurologistを育成し、脳神経疾患の克服を目指します。

研究力

当科は脳研究所所属分野として、基礎研究を積極的に行ってきた歴史があります。代表的な論文には、遺伝性脊髄小脳変性症を引き起こすトリプレットリピート病の遺伝子同定(Nat Genet. 1994, doi: 10.1038/ng0194-9.)、TDP-43遺伝子変異による筋萎縮性側索硬化症ALSの報告(Ann Neurol. 2008, doi: 10.1002/ana.21392.)、遺伝性脳小血管病 CARASILの原因遺伝子特定及び機序解明(NEJM 2009, doi: 10.1056/NEJMoa0801560.)などがあります。上記を含め、24編の論文がWeb of Scienceでの確認で引用数100を超えており、国際的な評価を得ています。脳神経内科分野内では、脳卒中、免疫疾患、脳小血管病、変性疾患などの各領域の研究チームがあります。それぞれが脳研究所内の他分野とも協力し、積極的に論文発表や学会報告を行っています。また医局員それぞれが、科研費などの競争的研究費を獲得し、研究活動を行っています。

最後になりますが、この原稿を書いているのは2020年6月中旬になります。県内の新型コロナウイルス新規感染症例はしばらく報告がなく、県内の流行はほぼ終息しつつあります。本稿が掲載される頃も感染終息が継続していることおよび、新潟市医師会の先生各位のご健康を祈願します。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

〈2020年4月医局員集合写真〉脳研究所 赤門の桜の木の下で

(令和2年7月号)

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