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新潟市医師会報より

新潟市医師会

モネの睡蓮の絵とモネの庭

山﨑 芳彦
山﨑 洋大

印象派の巨匠、クロード・モネ(1840−1926)は“印象、日の出”をはじめ、多くの名画を残しており、世界中の美術館でその爽やかな絵を鑑賞できる。中でも睡蓮をモチーフにした絵は、モネといえば睡蓮といわれるほどで、約200もの作品が残されている。最近、日本人が戦前に購入した未発表の1枚がパリで発見され、日本に返還され話題を呼んだ。睡蓮の絵を描くようになったのは、自宅に睡蓮の咲く大きな庭を作った40歳代からで、80歳代の晩年まで描き続けたという。

パリ中心部のコンコルド広場の一角に、オランジュリー美術館があり、ここで多くのモネの作品を鑑賞できる。パリのオルセー、ルーブルに比べればはるかに規模の小さい美術館であるが、ここではセザンヌ、ルノワール、ゴーギャン、ピカソ、マチスなど、教科書にも載っている錚錚たる名画を間近に鑑賞できる。ここには、モネの巨大な8枚の睡蓮池の絵が展示されており、これほど大きなものはオルセー美術館でも見ることができない。絵をいくつかの部分に分けて描き、美術館に搬入後、つなげて大きな一枚にしたという。扇形の4つの壁面に四季の睡蓮池の姿が描かれており、こういう部屋が2つあり、それぞれの絵に、四季の題が記されている(写真1.2.)。ここは、もとはオレンジを育てる温室だったが、これが美術館に改築され、モネはここに自分の作品を入れるため、自ら改修に並々ならぬ力を注いだという。

一方、パリから数十キロ離れたノルマンディー地方の小さな町、ジベルニーに、モネの住んでいた家が残されている。付近には大きな道路や建物もなく、こぎれいで静かな町である。ここに、窓枠などが緑色に塗られた2階建ての、細長い大きな家があり、芸術家の邸宅といった風で、これがモネの自宅である(写真3)。40歳を越えてから、この家を手に入れ、ここで絵の創作に没頭し、このとき以外は、庭の手入れに時間を費やしたとのこと。家には生活の跡が残され、コレクションしていた沢山の浮世絵が展示されている。これが画風にも大きく影響した。この家はモネの死後、しばらく放置されていたが、多くの愛好者によって手入れがしなおされ、いまは素晴らしい建物と庭がよみがえっている。

ここの広大な庭は、道路を挟んで大きく2つの区画に分かれ、各々違った風情がある。ひとつは、ルドベキア、ジギタリス、グラジオラス、ゼラニウムなど四季の花を植えこんだ華やかな花の庭で、今は数人のガーデナーにより管理されている(写真4)。花が絶えないようにするには、経済的にも、手入れも大変だが、世界中から多くの寄付があって成り立っているという。細い道路を挟んだ反対側には、大きな池を中心とした庭があり、色彩豊かな睡蓮が浮かび、巨大な柳の枝がしだれている(写真5)。この池には、睡蓮、柳のほかに、ミズカンナなどの水性植物やグラス類も多くて派手さはなく、自然園に近いものとなっている。池は、近くの川から水を引いているが、作るときは地元の住人の反対も大きかったらしい。池の脇には幅3メートル位の清らかな川が流れ、マスの姿もあった。モネもこちらの庭が特にお気に入りで、多くの名画がここから生み出された。橋の手すりは緑色に塗装され、日本の風景にあこがれたという太鼓橋もかかっている。

江戸時代の日本の浮世絵や風景がモネにも大きな影響を与えたかと思うと感慨深いものがある。

 

写真1.オランジュリー美術館の巨大なモネの睡蓮の絵(初夏の池)

写真2.別の巨大な睡蓮池の絵(秋の風景)、このような絵が8枚ある

写真3.花に埋もれたモネの邸宅

写真4.モネの鮮やかな花の庭の一部

 

写真5.白やピンクや黄色の睡蓮が咲くモネの池

 

 

 

 

 

 

(平成30年5月号)

 

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