勝井 豊
8月初旬に長岡市の寺泊港で、海上自衛隊の掃海艇の一般公開が行われていたので、立ち寄ってみた。日曜日だったので小さな子を連れた家族連れが多かった。青味がかった濃いグレーの船体が係留された岸壁には数個のテントが設営されていて、受付や土産物売場があったが、まず目についたのが自衛隊員募集のポスターであった。
係員の誘導に従いながら階段を上り前方の甲板に出ると20ミリ機関砲があり、その脇を通って船内に入ると、一番見通しのよい所に艇長席があってその隣にレーダーがあり、寺泊の町の建物が映っていた。天井にはトランペットがあり、起床時や旗の掲揚時、出港時などに特定の曲を吹くそうで、数十曲を使い分けているとのことであった。
下の甲板には3メートルほどの長さの潜水艇があった。音響探知機で水中または海底の機雷を見つけてから、その固定用のロープを潜水艇が切断して、機雷を安全な場所まで移動させて爆破処理するとのことであった。磁気に反応するタイプの機雷による被害を避けるために掃海艇の船体は木製で、スクリュー音を低くするための装置や、機雷を探知するためのハイテク装置などを備えているとのことであった。士官用の風呂やトイレも見学できたが、居心地は悪くなさそうで女性が艇長を務めているケースもあるとのことであった。
土産物売場には迷彩模様の衣類や帽子、専守防衛饅頭、自衛隊の艦船の絵が入った下敷きなど、さまざまな物が売られていた。「自衛隊カツ」という食品を買ってきたが、魚肉ソーセージに衣がついただけの粗末なもので、こんな副食では隊員の士気を維持するのは困難なように思えた。全部を食べ終える前に妻が捨ててしまったのが少し残念であった。
(平成30年10月号)