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新潟市医師会報より

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ろくもん電車の旅

中島 寛

「ろくもん」とは、信州真田家の家紋六連銭のこと、これをヒントに命名され「しなの鉄道」が運営する観光列車です。長野−軽井沢間をJR信越本線の軌道を走行します。

私の父は長野出身で、両親の墓も長野にあり毎年8月には墓参しております。

今年は丁度ろくもんの乗車券が入手できましたので乗ってみました。

私は“8月”には特別な感慨があります。

昭和20年8月、新潟がアメリカの新型爆弾の標的になっているらしいという情報で学童の強制疎開令が発令されました。そのため当時の新潟市は子供が誰もいなくなり、ドイツの民話『ハーメルンの笛吹き男』の物語のよう。

私は父の実家の長野に疎開しました。

実家は稲作、リンゴ園、養蚕(おかいこ様という)を営む大きな農家で、家族がそれぞれ役割分担が定められ、私の仕事は桑の葉を摘んでくることでした。

長野県には戦火を避けるため日本光学その他有名企業が疎開してきたので、その工場や輸送トラックを狙う空襲も頻繁になりました。

時には空襲警報のサイレンが鳴り終らないうちに頭上に敵機。

グラマン戦闘機の編隊です。まっ黒い機体のグラマンの機銃掃射は恐かった。桑の葉を摘んで帰ってくる途中で遭遇した時はあわてました。

黒い機体が高度を下げながら向ってくる。

背負ってきた籠を置き捨て、刈り取り前の田んぼに逃げ込みました。ドドドドド…重く湿った感じの機銃音、トラックが撃たれたらしい。

私は息を殺して固まっていました。

どうやら飛び去った様子、おそるおそる道路に這い上って桑畑の方を振り返ると、遠くの国道上でトラックが数台立往生、1台から黒煙が上がっていました。

8月15日、現人神(あらひとがみ)天皇陛下の玉音(ぎょくおん)放送を叔父と一緒に聞きました。聞き終って叔父がひと言「終ったのか、負けたのか」と不可解な様子、私は負けたんだと思いました。

ろくもんは赤い3両編成、それぞれの車輌に特色があり、私には食堂専用車が指定されていて、地元の有名割烹の二段重ねの和風料理つき。

車内の造作も襖に障子、廊下、テーブルも和風に統一、よくできている。

アルコール類の注文とりが来ましたので、私は地酒、地ビール、地ワインを全部オーダー、車窓から浅間山を眺めながら、禁断の昼酒を満喫しました。

長野を定時に出発してから後の停車駅は上田、小諸の順に停ります。まず上田、真田の赤備え姿の駅員がそろって歓迎、真田幸村装束の駅長が指揮刀を上げ、ホラ貝の合図で発車です。

次は小諸に停車、“小諸なる古城のほとり”を散策した後、軽井沢に到着しました。

ああ面白かった。全行程2時間半の旅でした。

高崎まで戻り、上越新幹線に乗り換えて新潟へ帰ってきました。

(平成30年11月号)

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