大滝 一
はじめに
私は昨年、ゴールデンウィーク(GW)を利用して初めてハワイに行ってきました。ある先生に、今度ハワイに初めて行くと話したら「え!初めてなんですか、意外だなあ」と言われました。それくらい、ハワイというのは日本人にとって行きやすい海外旅行先の一つなのだろうと思います。
ハワイに行かれた方は、皆さんそれぞれのハワイ感をお持ちのことと思いますが、まだ行かれたことがない先生もおられると思いますので、初心者としてのハワイ旅行の楽しみ方など、私が感じたままに報告させていただきます。一般のガイドブックとは趣の異なった紀行文になればと思っています。
出発まで
成田からハワイ・オアフ島まで、往きは6時間半、帰りは8時間のフライトとのことで、10時間以内でしたが、フランス旅行の際に利用したプレミアムエコノミーがとても楽だったので、旅行会社にそのようにお願いしました。
出発当日、まずは新潟から成田までは午後2時40分発のANAのプロペラ機に乗り込みました。プロペラ機は少々心もとない感じもありますが、ジェット機にはない素敵な良さがあります。それは窓から見える壮大な景観です。
新潟空港を発ち磐梯山、猪苗代湖、裏磐梯の五色沼、さらには犬吠埼、霞ヶ浦など一大パノラマを1時間堪能できました。プロペラ機はジェット機のように8,000m以上の高いところは飛ばず、せいぜい3,000~5,000mとのことで、遊覧飛行的気分が味わえました。
以前、千歳から新潟に帰ってくる際のプロペラ機でも、日本海上を飛んでいるとき、雲ひとつない晴天の下、故郷の山形県の全景を見ることができました。鳥海山、酒田市と鶴岡市、さらには月山とその向こうの山形市と蔵王、私の田舎にあるダム湖まではっきり確認でき、家内と感激しました。
新潟を発って約1時間後に成田空港の第1ターミナルに着き、第2ターミナルまで無料シャトルバスで15分。出発までの3時間を第2ターミナルにあるJALのサクララウンジで過ごしました。
プレミアムエコノミー以上で利用できるこのサクララウンジはとても快適です。コーヒーは勿論ですがアルコール類もビールに赤、白ワイン、日本酒(大吟醸)、洋酒(レミーマルタンのVSOPなど)に焼酎と種類も豊富でした。ラウンジでじっくり読書もでき快適な3時間を過ごし、いざハワイへ出発です。
成田出発からチェックインまで
午後9時出発。離陸1時間後に出てきた食事は老舗のフレンチ「銀座パーラー」のビーフカレーで、これが大変美味しかったです。
また機内の前方はビジネスで、そこのトイレをこっそり使用しました。後方のエコノミーのトイレと違い、ウォシュレットつきで、歯ブラシが10本ほども置いてあり、芳香が漂っていました。次はビジネスです。
今回アメリカに行くに当たり、予め渡航用認証許可(ESTA)を取っていたので、入国審査カードの記載が不要でした。このESTAはアメリカに入国するに当たって、前もってインターネットで許可申請をしておくものです。最初はかなり面倒でしたが、一度やってみると、あとの家内や弟夫婦の分は楽勝でした。
さて、日本時間では4月27日の午前3時30分、ハワイの現地時間では4月26日の午前8時30分にハワイに到着です。
「思ったより熱くない、新潟と同じくらい」という感じでしたが、入国審査のフロアは大変混んでいて、GWのためか半数以上が日本人で熱気に溢れていました。
空港からバスで20分ほどで宿泊先のホテルに着き(写真1)、まずホテル内にあるJALPACKアロハラウンジに行き説明を聞きました。そこで、翌日の無料オプショナルツアーの集合場所や、某氏からお勧めいただいたステーキハウス「ウルフギャング」の場所などを確認しました。
ホテル近くのロイヤルハワイアンセンターには食事、お土産、高級ブランドショップなどが入っており大変便利でした。
アロハラウンジで「夜はどうしますか」と聞かれ、「ウルフギャングで」と言ったところ、午後5時15分に予約を取ってくれました。人気で早いこの時間しか取れませんでした。
ここまでは、日本人が多く入国審査以外ほとんど英語が要らず、景観は外国でありながらあまり異国感がしませんでした。これもハワイの好いところかも知れません。
ハワイでの初日
まず、部屋に入り感激したのは、バルコニーから太平洋の大海原が一望できることでした(写真2)。天気もよくマリンブルーがとても鮮やかでした。
ワイキキビーチを散歩し、ハワイを代表する景観のダイヤモンドヘッドをバックに、通り掛かりの日本人高校生にワンショット撮ってもらいました(写真3)。
夕方5時過ぎに、予約してもらったステーキハウス「ウルフギャング」に行きました。お客の大半が日本人で、そのためか現地スタッフの方々もほとんど日本語が通じ、メニューも日本語でしっかり書かれていました。
さて、料理ですが、回りをみると、ステーキはかなりボリュームがありそうなので、サラダとジャンボロブスター、そしてメインにステーキの2人前をオーダーしました(写真4)。弟夫婦と4人でしたが、還暦を過ぎた私達にとって、結果的にはこれで十分で大満足のディナーとなりました。
二日目
ぐっすり寝て、さわやかに起きてまずは朝食。ホテル内のバイキングレストランで食事をすることになりました。一人35ドル、結構な値段です。しかし、食事内容にはがっかり。内容は詳しく述べませんが、あまりお勧めできません。明日は、ホテルの1階のローソンで済ますことにしました。ローソンについては後述します。
食事後、9時30分出発のオプショナルツアーのためTギャラリアに向かいました。しかし、案内が見当たりません。なんとそのツアーは8時15分の出発でした。いやー、失敗しました。そこでアロハラウンジに戻り相談したところ、4人ならタクシーを使うのも手だと教えてくれ、タクシーを手配してくれました(写真5)。これが大当たりでした。ただし写真のリムジンは私達が乗った車ではありませんので、ご了解ください。
タクシー料金は、4人で4時間、最終的に160ドルで一人あたり40ドル、結果的には大変リーズナブルな感じでした。ドライバーさんとの会話は久しぶりに英会話の実践練習にもなりましたし、ツアーでは30分ほど歩くところも車で送ってくれ、親切で本当に有難かったです。ハワイで一番美しいといわれるラニカイビーチを見、カイルアタウンに寄り、ビショップ博物館をみてホテルに帰りました(写真6)。人数にもよりますが行き先の自由がきくタクシーもときには好いものです。
午後から夕方までは、ホテルで大海原の潮の香りの中での読書、なんとも贅沢な時間を過ごさせていただきました(写真7)。ベランダには白いハトがきて読書のお供をしてくれました(写真8)。
ハワイの一番のよさはこのワイキキビーチを望みながら、心身ともにゆったりとした時間を過ごせるところにあるのではないかと思いました。
さて夕食ですが、ロイヤルハワイアンセンター内の寿司居酒屋「Doraku Sushi」に入ってみました。ここのメニューも日本語ばっちり。枝豆、から揚げ、焼きそばに将軍という名の寿司、と日本の居酒屋にいる感じがしました。お酒に『久保田』がありました。ハワイでも新潟のお酒なんですね。写真のもう一つのお酒は、これも有名な山口県の『獺祭』です(写真9)。ぶらぶら歩きの夜のビーチも素敵でした(写真10)。
三日目
朝食はローソンで調達しました。日本人が多いためか冷やし中華、そうめん、豆腐、おにぎりなど日本とほぼ同じものが揃っていてありがたかったです。
この日はベスト・オブ・オアフというオプショナルツアーに参加の予定で、昨日のこともあり、しっかりと時間を確認して遅れずに参加しました。
バスでホノルルマラソンのコースを走り、ダイヤモンドヘッドを周って、エルビスプレスリーが主演の映画「ブルーハワイ」のロケ地であるハナウマ湾を望み、カメハメハ大王のオアフ島統一の際の激戦地、ヌアヌ・パリで絶景を堪能しました。
そこで2匹のハワイのニャンに遭遇しました。一匹目は「ここは俺のシマだ、よそもんは早く出ていけ」という感じの目つきの厳しいおそらくオス猫(写真11)、もう一匹は、「絶景を楽しんでいってね」と優しそうなおそらくメス猫でした(写真12)。猫好きな私はついつい何回もシャッターを切ってしまいました。
その後に、日本人にとってダイヤモンドヘッドと並んでハワイの象徴となっているあの有名な木「このー木、何の木、気になる木」で知られる「日立の木」を仰ぎ見てきました(写真13)。ハワイの人も「日立の木」と言うそうです。約半世紀前にこの木の下で撮った今は亡き両親の写真を思い出しました。
昼食をロイヤルハワイアンセンター内のフードショップで多国籍料理を楽しんだ後、ホテルのベランダでゆっくり読書をしました。この読書は極上の時間で、今日も白い鳩がお供をしてくれました。大海原をゆったりと泳ぐ大きな亀も見ることができました。
夜はアロハラウンジで予約してくれた「TANAKA of Tokyo」の鉄板焼きで舌鼓を打ちました(写真14)。新潟の『静香庵』をワイルドにした感じです。料理人のヘラを使ったミニミニショーと盛大に燃え上がる炎に感動しながらの食事となりました(写真15)。
料理はけっこうボリュームがあり、家内がテイクアウトしたいといったところ、すぐに持ち帰り用パックを持ってきてくれました(写真16)。これは有難かったです。食べ切れなかった肉とガーリックライスは翌日の朝食となりました。
このあと家内は、ホテルのガーデンで現地のダンサーと一緒にフラダンスを踊ったそうです。そのダンサーと話してみたところ、2年前に日本から招かれて新潟のANAクラウンホテルで踊ったことがある方だったそうです。家内も新潟で実際にそれを見たとのことで、世界中いろいろと繫がるものだと感嘆しました。
最終日そして帰国
朝は前日のテイクアウトご飯を電子レンジで温めて食べましたが、その美味しさは昨日とほとんど変わりませんでした。
朝食後はすぐにバスでホノルル空港に向かいました。搭乗手続きをして、プレミアムエコノミーなので成田と同様にラウンジでと思っていましたが、GWで混んでおり、「今日はビジネスクラスでないと利用できない」とのことでした。やはり次はビジネスと思いました。その代わりとして30ドルのチケットを渡されたました。そのチケットを使い、コーヒー好きの知り合いに、ハワイの一流農園手作りの希少コーヒー「コナコーヒー」をお土産として買いました。
楽しく、優雅なホノルルの4日間もあっという間に過ぎ、ハワイ時間の午後1時(日本時間午前8時)にホノルル空港を発ち、日本時間午後4時に成田に到着しました。機内食は「銀座パーラー」の牛丼弁当でこれもまた美味しかったです。
成田でキャリーバッグを宅配とし、東京駅で買った駅弁を新幹線で食べ、新潟には夜の9時過ぎに着きました。ハワイを十分堪能し大満足で今回の旅行を終えることができました。
最後に
ハワイはいい!日本語が概ね通じ便利、食事も美味しく、観光だけでなくゆったり過ごせるところが素晴らしい!
人それぞれが、思い思いの時間をハワイで過ごす、何度もハワイに行く気持ちが理解できました。
付録1:大学ランキング
ハワイには132の島があるが、人が住んでいるのは8つだけとのことです。
アメリカでは大学にランキングがあり、ハワイ大学はアメリカの約3,000大学の中の156番目に位置しているとのことですが、医学部はなんと2番目のランキングとのことでした。なぜ?
付録2:覚えていると便利な超簡単ハワイ語
こんにちは アロハ
おはよう カカヒアカ
こんにちは(午後)アウナラ
こんばんは アイアイ
さよなら アロハオエ
写真1 宿泊したホテル
写真2 バルコニーより望む大海原
写真3 ダイヤモンドヘッドをバックに
写真4 ステーキとジャンボロブスター
写真5 ホテル前のリムジン
写真6 ビショップ博物館
写真7 ベランダでの読書
写真8 読書のお供の2羽のハト
写真9 久保田と獺祭
写真10 夜のビーチ
写真11 おそらくオス猫
写真12 おそらくメス猫
写真13 日立の木
写真14 TANAKA of Tokyo
写真15 炎のミニミニショー
写真16 Take out pack
(平成31年5月号)