永井 博子
第7回日本医師会赤ひげ大賞を、堀川楊先生が受賞されました。新潟県としては昨年の藤巻幹夫先生に次いで連続の受賞です。
堀川楊先生は神経内科初代教授として椿忠雄先生が赴任されて神経内科学教室を創設された時に神経内科に入局され、神経難病の患者のケアを何とかしたいと考えて、1997年信楽園病院へ赴任。翌1998年継続医療室を開設され、往診と訪問看護を開始されました。介護保険がまだ影も形もない時代に、現在介護保険が行っていることを、すでに組織的にやっておられました。堀川先生はその後も、患者が安心して在宅療養を行えるためと、医療側が安心して安全に医療を提供できるためにと様々な試みをされました。又、新潟市においては1990年に新潟市難病対策協議会と難病ケース検討会を立ち上げて様々な難病の検討と対策が話し合われてきました。こうして、先生は新潟県、新潟市の在宅医療の基礎をお作りになりました。
授賞式は3月15日、東京のパレスホテルで行われました。昨年藤巻先生が91才でこの賞の最高齢を記録されましたが、今年は長野県の橋上先生が93才で受賞されて、最高齢記録を塗り替えられました。授賞式には、学生たちが招待されていて、レセプションでは学生たちから、「地域医療で活躍するためには若いうちに何を学び、何を経験したら、将来役に立つのか」「特養や老健の設立などで苦労したこと」「地域医療の良さ、地域医療だからこそできることは」「地域医療、地方で医療に従事する医師が少ないなかで、精神的、肉体的ストレスにどう対処しているか」などの質問があり、受賞された5人の先生方が丁寧に答えていらっしゃって、若者と地域医療の大ベテランとの交流がほのぼのとした雰囲気で行われました。
(平成31年5月号)