笹川 力
今は全国で100歳を超える人が年々増えて100歳の時代といわれています。しかし、がん細胞を攻撃して排除する免疫機能は年令とともに低下し、がん患者が増えています。平成29年新潟県死因別死亡割合を見ますと、死亡数は29,323人で、1位はがん(27.0%)、2位心疾患(14.1%)、3位脳血管疾患(9.8%)の生活習慣病です。そして、平成28年新潟県主な部位別75歳未満年令調整がん死亡率(人口10万対)を見ると、1位肺がん(13.9%)、2位大腸がん(10.1%)、胃がん(10.1%)、乳がん(10.1%)です。
平成30年12月2日に、100歳まで世のため人のため現役で企業活動や奉仕活動をして働こうという第26回新潟百働会で、シンポジウム「がんに負けずに100歳まで働こう」を開催致しました。最初は藪崎会員(新潟県立がんセンター新潟病院消化器外科部長)より「がんの治療と予防」を聴きました。がんの治療には、手術療法、化学療法、放射線療法、免疫療法の4つがあります。そして、次は宇佐美会員、和泉会員、高橋会員、会田会員、大竹会員の5人よりシンポジストとして「がん体験談」を聴きました。
肺がんは喫煙によるタバコのタール中の発がん物質ベンツピレンで発生します。また、ベンツピレン解毒酵素の減少で発生します。
大腸がんは脂肪を沢山食べると、消化する胆汁酸が多量に大腸に流れ、大腸粘膜細胞に対する発がん作用で発生します。
胃がんは抗生物質を1週間服用するピロリ菌除菌普及により年々減少しています。
肝がんは過食・アルコール過飲による脂肪肝から発生します。また、運動不足による脂肪肝や睡眠不足による食欲亢進・脂肪肝から発生します。
糖質の過食による糖尿病では、血糖値が上昇し、NK細胞(ナチュラル・キラー細胞)の機能が低下し、がん細胞が増加します。
「ワッハッハ」と笑う呼吸運動で、NK細胞が活性化されて、がん細胞を攻めます。
私たちは、毎日、生活習慣に気をつけて、「ワッハッハ」と笑って「がんに負けずに、100歳まで世のため、人のため働きましょう」。
(平成31年5月号)